母親、家族のボンド役 | グローバルに波乱万丈





今月初めからアパートを契約し、少しずつ引越中の24歳の長男。 

アパートで一晩過ごして、大学での仕事の後に荷物を取りにうちに寄り、

入ってくるなり、「ダァッド、どうしてる?」


普段、父親の様子をそんなに気にすることはないので、

「ん? 仕事忙しそうで、ちょっと疲れ気味だけど... どうして?」

「あのさ、昨日、電話してきて、なんだか寂しそうだったから。」



長男の引越し、次男や友達が手伝いに行ったのですが、主人は仕事で、

夜10時くらいに仕事から帰る途中に、長男に 「手伝いに行く。」 と電話したという話は、

主人から聞いていたのですが、


大きい物は運び終えたから大丈夫、と言う長男に、

「お前のあの大きな笑い声が聞けなくなり、家の中が静か過ぎになるよ。」  

しんみり言ったのだそうです。


長男、嬉しいかったのでしょう。



「そうなのよ。 ダァッド、かなりセンチメンタルになってるのよ。 そういうタイプじゃあないのに。

仕事が忙しく、くたくただったのに、手伝いに行くって電話したのは、顔が見たかったんじゃない?

たった一日会わなかっただけなのにね。 そんなこと、しょっちゅうなのに。

あなたが正式にうちから居なくなる、ってことが寂しいのよね。

ダァッド、あなたのことをとっても愛してるから。」



そして、仕事から帰ってきた主人に、長男が寄ったことを話し、


「うちに入ってくるなり、あなたのことを聞いてたわよ。 昨日の電話、相当嬉しかったみたい。  

あの子、あなたのこと、とっても愛してるのよね。」




“HE LOVES YOU VERY MUCH.”  (彼、あなたのこと、とっても愛しているのよ。)

これは、家族のボンド役としての、私専門の言葉です。


主人に、息子が愛していること。

息子に、父親の主人が愛していること。

長男に、弟の次男が愛していること。

次男に、兄の長男が愛していること。


チャンスがある度、さりげなく会話の中で、それぞれに伝えたきました。



男の子達ですし、一緒に暮らし、いつも顔を突き合わせていると、

“I LOVE YOU.” とハグをする機会はかなり限られます。

それに、人から聞く方が、余計心を打つこともあります。



息子二人、オモチャやビデオゲームのシェアがちゃんとできず、一人がふてくされた時、

主人の仕事が忙しく、息子達のテニスやサッカーの試合を観に行けなかった時、

反抗期の時期、息子が主人に冷たい態度をとった時、


“HE LOVES YOU VERY MUCH.”

私は今まで何度、この言葉を言ってきたことでしょうか。 




中には、父親の文句を子供に聞かせ、子供も文句を他の子に聞かせる母親がいます。

単にうっぷん晴らしなのでしょうが、

家族のボンド役の母親がそんなことじゃあ、家族の関係にいいわけがありません。




長男は主人とは血は繋がっていません。

長男と次男は、英語で言う “ハーフ・ブラザー” です。 (息子達は絶対に使わない言葉ですが。)


それでも、これだけ仲がいい家族に育ったのは、

“HE LOVES YOU VERY MUCH.” のお蔭もあるように思います。









キッチンのリモデリング中で、私はたんこぶ、擦り傷、アザだらけで、どたばたしているのですが、

今日は早めに切り上げ、ちゃんと料理をし、 

「ダァッド、あなたの顔が見たいって。 一緒に夕食しましょ。 」

長男に、メッセージを送るつもりです。