最近、ちょっとしたきっかけで、ヘンリー八世やら、娘のエリザベス一世の話にはまりまして、
その部分のイギリス史をドラマ化したシリーズや映画、BBCのドキュメンタリーを片っ端に観て、
歴史学者による記事をネットで読みまくり、
ヘンリー八世のお姉さんから、そのお姉さんの恋人から結婚相手から...
エリザベスのお母さんから、お母さんのお兄さんから、そのお兄さんの奥さんから...
私、結構詳しいんですよ。
昔、ロンドンにフラット (アパート) 借りて、住んでいたんですが、
若く、角々していた私は、「おのぼりさんになりたくない!」 と馬鹿なことを言い、
ロンドンのど真ん中に住みながら、観光客が行く名所には全く行かなかったんです。
今になって、
「話の舞台のヘンプトン・コートや、エリザベス一世も入れられ、彼女の母親達が処刑されたロンドン塔、
見てみたい!!!」
と吠えております。
まあ、イギリスの歴史を理解してなかった当時の私が、もし見に行っていたとしても、
「キレイ。 大きっ。 ふるっ。」 くらいのことで、それほどの感動的ではなく、
“猫に小判” だったのでしょうが。
いつか、パリのルーブル美術館で、日本人だったのかな、韓国人だったのかな、
田舎のおばさん&おじさんタイプの団体客が、代わる代わるモナリザの前に立ち、
写真を撮っているという光景に、遭遇したことがありました。
モナリザとの写真を撮り終えると、他の絵には一切見向きもせずに、去って行きました。
きっと、別に美術に興味があるわけではなく、“ルーブルに行った。”、“モナリザを見た。”
ということだけのためだったのでしょう。
確かに、美術館に並ぶ絵は、ある程度、美術史を理解し、その絵や画家についての知識がないと、
興味深くありませんから、仕方がないことです。
ジョットの宗教画も、無表情で頭でっかちな、バランスの崩れた絵に過ぎないだろうし、
セザンヌのセント・ビクトワール山にしても、“絵の具が切れたんかいな?” な色だろうし。
実は私、昔、パリに行く前に、
「せっかく美術史の巨匠の作品が並ぶ美術館に、息子達を連れて行くなら...」 と、
中学生だった長男に、計六時間もある印象派についてのDVDを、図書館で借りて観させたという、
過酷な母です。 (苦笑)
「おかげで、どの画家が浪費家で、どの画家がウツで、どの画家とどの画家が関係を持っていたか、
よーーく勉強になったよ。」 と、当分の間、息子は嫌味半分な冗談を言っていましたが、
実際、オルセー美術館では、感動的な充実した時間となったようでした。
知れば知るほど、世の中は興味深くなるものですよね。
この夏に、主人と二人でチェコに行くのですが、
今、チェコ出身の、元アメリカ国務長官のマドレーン・オブライトさんによる、
チェコの歴史、第二次世界大戦時プラハでの彼女の体験についての本を、読んでいるところです。
せっかく行くなら、感想が 「キレイ。 大きっ。 ふるっ。」 ではなく、
興味深く、感動的な充実した時間を過ごしたいですし、
ロンドンのパレスや塔のように、後で 「見てみたい!!!」 と吠えるはめになるのは嫌ですからね。
余談ではありますが、ここでひとつ訴えさせて頂ければ...
日本でも放送されたかも知れませんが、アメリカ作のヘンリー八世のドラマ化の 『TUDORS』。
当時、思い切り “フォトショップ” されて描かれたに違いなくても、こんな感じのヘンリー八世を、
超ハンサムな俳優さんが演ずるのは、ちょっと無理があったような... (・Θ・;)