日本の“カワイイ”の悲しい心理 | グローバルに波乱万丈





日本の専門家の意見やリサーチ、様々な人達のインタビュー、戦後の歴史を基にして書かれた、

ケンブリッジ大学やMITなどにも所属し、オックスフォードで社会学の博士号を取った学者による、

外から見た “カワイイ” が流行る日本社会、日本人の心理の分析、説明は、

私には、まさに “目からウロコ” でした。



私は二十年以上、日本文化と触れることなく過ごしてきましたので、

数年前、映画 『送り人』 を観て、奥さん役の女優さんの子供っぽい、頭が悪そうな表情や仕草に、

ものすごく違和感を覚え、気持ち悪く、不気味にさえ感じました。


私がまだ日本にいる頃は、桃井かおりさんのような大人の女優さんが人気がありましたし、

ファッションも、コムサデモードみたいなヨーロッパ的なシックなものが主流でしたから、

このブログを始めて、いつの間にか、何もかもが子供っぽく、幼稚になっている日本の様子を知り、

ひどくショックでした。


正直言って、ブログのマイページにある “カワイイ” 素振りの芸能人の写真に苛立ち、

「女の子がこんな媚びた態度をしているようじゃあ、日本は本物の男女平等になるわけないわ。」

と呆れて来ました。




“カワイイ” 文化は、70年代の女の子達によるハートマークやハッピーフェイスを含めた、

丸字、マンガ文字が始まりなのだそうです。

その後、松田聖子やジャーニーズのブームが拍車をかけ、サンリオのキャラクターが流行り、

保険会社や銀行などが柔らかいイメージを作るため、丸っこい動物の絵をマスコットに使うようになり、

“ピンクハウス” とかいうファッションにまで広がり、『CUTIES』 という雑誌も発売されるようになり...


と、ここ三十、四十年の現象なのだそうで、

それまでは、“カワイイ” は “いたわしい” に似た同情的な意味合いだったのだそうです。




私がずっと疑問に感じていたのは、どうしてあんなことが流行るのかということだったのですが、

それは、“カワイイ” に囚われ、流行らせた日本の女の子達の心理にあるようです。


西洋文化では、大人になることは “自由”、“独立” というポジティブなイメージがある反面、

日本の若者達にとって大人になることは、“責任”、“妥協”、“しがらみ” の中で、

自由を失うという考え方があるので、

不能で弱い子供のような服装や喋り方、表情、仕草をすることにより、

無意識に現実逃避をしているという分析でした。


日本の企業では、女性はキャリアを伸ばせるチャンスが少なく、

結婚すれば仕事を辞め、退屈で押さえつけれらた妻や母としての役目を強いられることになるので、

成長し大人になることを拒否し、永遠に自由な少女でいたい、という心理からのものなのだそうです。



また、中高校生の制服姿に興奮するようなロリコン性が高い日本男性の多くは、

(アメリカだと重犯罪者、精神異常者扱いですが。)

そういう女性を好むので、その心理を利用し、カワイらしさを餌にして、

食事に連れて行ってもらい、物を買ってもらえる男性と複数つき合う女性のことも、あげられていました。

それは、ある意味、男尊女卑の社会への反抗的、仕返し的な心理が、裏にあるとのことです。 




書かれていること以外にも、引き金になっている要素がいろいろあるのでしょうが、

今までイヤでイヤで、そんな母国が恥ずかしく感じていたのですが、

なんだか、“カワイイ” 素振りをする日本の女の子達が、“いたわしく” 思えてきます。 


“カワイイ” 文化だから、男女平等にならないのではなく、

男女平等じゃないから、“カワイイ” 文化なんかが流行ってしまうのかも知れません。




特に批判的な書き方ではなかったのですが、

“基本的に、子供のように振る舞い、可愛くいるということは、

成長がもたらす洞察力、感情、ユーモアの財産の存在を、否定することである。”

という部分があり、私も大きく同感です。


自分の力で成し遂げることができる、立派な強い大人の女性であることは、

人生において、この上ない充実感があると思います。




ひとつ、大笑いした部分は、

“日本の女性は自らの価値を下げ、内股に立ち、目を大きく開いて幼稚に振舞い...” のところで、

英語にない “内股” が “WITH PIGEON TOES” (ハトのつま先で) と表現されていたことです。

今まで遭遇したことがなかった表現でした。 

アメリカ、内股の人なんて、あまりいないですからね。


確かに、うちの林に住むハト達も内股で、目をぱちくり開き、時に首を傾げ、窓辺の私達を見てますが、







カワイイぶりっ子をして、エサをもらおうという魂胆なのかも。

そして、ついエサをあげてしまう私達は、実はロリコン性有りかも。 (笑)




興味がある方はどうぞ。  35ページあるので、お覚悟を。
    ↓
“CUTIES IN JAPAN” by DR. SHARON KINSELLA