“修道士の頭”とボサノバと | グローバルに波乱万丈







日が暮れて、

昼間、裏の湖でスイスイ泳ぎ回っていた大きなワニも、どこかで身を潜め、眠りについているのだろう。


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夕食はデッキで、頂き物のカラマタ・オリーブをたっぷり入れて焼いた、地中海風のパンと、


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庭の畑で採れたルッコラと、シェーブしたパラメゾンチーズのサラダに、

ミディアムレアのローストビーフと、ローストチキンのスライス。


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食べ終えるや否や、テレビを観に家の中に入ろうとする次男を、

“Stay with us a little bit longer.” (もうちょっとだけ居ろよ。)  

と引き止めようとする主人に、

“No. You guys are boring.” (お父さん達、退屈だからイヤ。)  

と17歳のティーネイジャーは冷たく、


私は、お決まりのやり取りに微笑む。


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いつものように顔を出した隣りの犬に、

“You are only one who gives me attention.”
  (相手してくれるのは、お前だけだなぁ。)

と寂しそうな主人。





結局また、二人だけの晩酌。


今夜は、近くのワイナリーの甘口ワイン。 

赤が好きな主人は “サザン・レッド”、白が好きな私は “サザン・ホワイト”。


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バック・ミュージックは、私が好きな本場ブラジルのボサノバ。


“Sentado à Beira de Um Caminho”  (道端に座り) は、

フリオ・イグレシアスも、盲目のオペラ歌手、アンドレア・ボッチェリも歌っているけど、

私は、ギターを弾きながらドリーミーな声で歌う、ローザ・パソスのボサノバ版が好き。


「あの人を待ち続けるのは終わりにし、自分が存在することを思い出さなければ... 」 と悲しい歌だけど。 

 
     





ツマミには、先週の私の誕生日に、オーストリアの友達の両親から削り器と一緒に頂いたスイス・チーズ、

Tête de Moine


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次男が時々家の中から現れ、ハンドルをくるくる回し、削ったチーズを持って行く。


主人は凝りもせず、“Stay with us.” 

次男は、“No.”





頭を剃るカトリックの修道士とかけて、 “修道士の頭” という名が付けられているチーズで、

検索してみると、スイスの小さな古街、MOUTIER辺りで作られているらしい。


MOUTIERは、昔、ホテル&レストランになっている古城で主人の友達がシェフをしていて、

十年以上前、息子達がまだ小さかった頃、家族で過ごしたことがある。


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長男が遠いカリフォルニアに就職になると決まって以来、ノスタルジックになっている主人は、

ため息混じりで、息子達との旅の思い出話を始める。


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これから、こんな夜が増えるのだろう。


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