Droneはイノベーションなのか? | 七転び八尾記

Droneはイノベーションなのか?

一見ラジコンとどう違うのかと思われがちなDrone、これって本当にイノベーションなんだろうか?
流行物好きの私は、Droneの世界最大の展示会AUVS's Unmanned System 2013に参加するために、先日ワシントンまで出向いてきた。
自分で感じたことを中心に『Droneはイノベーションなのか?』ということで皆さんにもご紹介しようと思う。

(最近のDroneの代表格ともいえるクワッドコプター)

まずDroneの定義だが、無人飛行機と思っている人が多いようだが、これは違う。
無人であれば飛行機も潜水艦も船も車もすべてDroneという。
もちろん一番メジャーなのは、無人飛行物体つまりUnmanned Aerial Veichle(UAV)である。
日本では、まだDroneのベンチャー企業というのは聞かないが、米国を中心にその他の国では結講な数が出てきている。スマホの次はウェアブルか、それともDroneかという感じだろうか。日本だとラジコンメーカーやオールドインダストリーの製造メーカーが若干の製品を出しているぐらいだ。


僕の個人的な見解だが、Drone業界はやっとミリタリーからコンシュマーに移行しようと始まったばかりと言えるが、相当な苦戦を強いられているのではないかと推測される。
というのも、現状では軍事目的がメインである。しかしこの分野は参入ハードルも高く、政府に頼る部分も多く、大手航空機メーカー(武器メーカー?)なども当然参入しており、相当な技術力と資金力が必要とされるようである。そして市場規模拡大には税金が必要なため限界がある。もちろんAR Droneのようにホビー向けやダウンサイジングした航空撮影用や危険作業用の無人車両型Droneなども存在するが、まだまだ手探り状態である。
また、米国ではDroneは殺人兵器としての利用もあるがゆえに社会問題にもなっており、イベント当日会場前ではDroneに反対する団体の抗議パフォーマンスなども行われていた。

(抗議パフォーマンスの様子)

一方DroneはパソコンでいうDOS/V機の時代であると言う人もいるが、市場拡大への足がかりがまだ見えていないといったところが本音ではないかと感じられた。
特に、無人飛行物体の民間利用となると安全性やプライバシーの問題、法規制の問題が介在してくる。米国では政府もこの辺りを検討しているようだが、残念なことに日本では皆無と言える。いくらアベノミクスと言っても旧態然として日本政府ではこの分野を伸ばすには相当なパワーがる可能性は否めないであろう。

(展示会場はかなり大きい)

今回600社の出展社のうち日本から出展参加している企業はなんと代理店1社と部品メーカー1社であった。これは驚きだった。中国や韓国のメーカーに完全に負けている。また、来場者の日本人もほとんどがオールドインダストリーの製造メーカーの人ばかりで数十人でツアーで来ているという噂まで聞いた(笑)
会社関係なしで個人で来ているのはもしかして僕だけだったかもしれない(汗)

今回のカンファレンスでのDroneの民間活用分野の主なテーマは、アグリカルチャー(農業)とセキュリティーばかりだった。というかこの分野しか今は生かせないというのがDrone業界の現状であるとも言えるようである。
最近Droneを使った新聞配達やピザの宅配なども紹介されているが、正直バッテリーの問題や天候の問題を考えるとまだまだである。
皆さんよく考えてみてください、Droneを紹介する動画で雨の日の物を見たことがありますか? 僕は見たことないです。

さてまとめに入るが、Drone業界にベンチャーが参戦してお金になるには、まだまだ先なのか、それとも何かがブレークスルーするきっかけを生み出し一気に行くのか私にもわからない。ただインターネットや携帯の時は、出会い系やエロ系が最初のきっかけを作ったというパターンもあったが、Droneでその分野はかなり厳しいかもしれない。もし
Droneを使ってその分野で貢献するとしたら出来るとすれば盗撮マニアを喜ばせるだけではないだろうか(笑)

しかし、ネットでも色々と公開されているように着実にDrone技術は着実に進歩しており、いずれコンシュマーサービスに取り込まれていくことは間違いないのではないかと思う。ただそれが2、3年後なのか10年後なのか、はたまた50年後なのか、それは僕にもわからない。