今月の読書会
「ぶっくもあ」の課題図書は



「敦煌」


読み終えたのに
来月に延期になってしまった。


📘📘📘


20世紀になって

敦煌の洞窟から発見された

夥しい数の経典は、

西夏との戦いによって

敦煌が一旦は亡びる時に

誰かによって

隠されたものだった。


そのおかげで

この貴重な経典が

今日まで残された。



作者は

架空の人物、趙行徳を主人公にし、


開封の町から旅に出て、

敦煌に行き着いた彼が

最後に

この偉業を成した人物として描いた。


「財産や生命も権力も

それを所有している者の

持ち物だけど、

経典は誰の持ち物でもない」


「永遠という思いが

行徳の心を鷲掴みにした」


「火から守れるなら守ってやろう」



現代において

世界遺産と聞くと

とても魅力的で、

死ぬまでに

できるだけたくさん見たいと

誰もが思う。



でも

そういう歴史的遺産というのは

簡単に

守られてきたのではないのだ。



現代に残っていれば

価値をもつものでも

消滅してしまったものが

たくさんあっただろう。


遺産として生き残るも死ぬも、

多くは歴史の運命に

かかっていた。


でも

敢えてその運命に逆らった人間の

努力と知恵で

残されたものがあったのだと知って

心を打たれた。




行徳みたいな一個の人間の

命を賭けた情熱によって

残されたものが


やがて価値をもち

貴重な未来への

遺産となったのだ。



井上靖は、

史実をもとにロマンスを描ける

数少ない作家である。


そして

この作家の飛び抜けて個性的な

想像力には

驚かざるを得ない。



感想をまとめてから

ウォーキング。





走る人走る人走る人






青空のキャンバスに描かれた

飛行機雲が

美しかったなーおねがい