『読書あれこれ』 ~「大遺言(永拓実:著)」の巻 ~ | 四季通信

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いろんなことを書き綴っていきます。

今日の『四季通信』は、

読書あれこれ

 ~「大遺言(永拓実:著)」の巻 ~ です。

 

 

永拓実さんは、

あの永六輔さんの

お孫さんです。

 

永さんが亡くなられた後、

永さん(祖父)に教えてもらったこと、

永さんの残した著書、

手帳やノート、

メモを読み漁って

祖父を辿った本です。

 

 

ここでは、

ここで描かれた

永さんの姿や

人となりを

知っている方たちの

ことばもあります、

永さん自身が残した

ことばもあります

それを抜き出してみました。

 

それでは

 

 

 

まずは、

タモリさんが語った

永六輔像。

 

どんな質問をしても答えが返ってきた。

それも、

難しく答えるんじゃなくて、

うまく答えるんだよね。

 

永さんの

話は

とてもおもしろい。

「なんかの話し方なんだよなあ」

と、ぼくはよく思っていました。

ある日、

そうか。

永さんの話し方は

落語なんだ。

起承転結があり、

最後に

必ず

オチがある。

だから

おもしろくて

楽しいんだと

思ったのです。

 

大学教授が

仏教の授業で

色即是空」を説明するのに、

「色すなわちこれ空ということ。

空は実体がないもの、

虚無ということ。

だから、姿かたちは仮のもので、

本質は・・・」という説明をしたのだけれど、

聴いている人には、

なんのことだか

わからない。

それに対して

永さんは、ラジオ番組でこう話している。

 

色即是空はつまり、

ドーナツの穴。

ないけどある。

あるけどない。

 

 

何を説明したいのかよりも、

何を伝えたいかを考えないといけない。

 

 

「自分の欠点を自覚すれば、

自分の追求するものが

見えてくる

 

 

戦時中の疎開で

病院通いをしていた

永さんは体が弱く、

いじめられっ子だったそうです。

つまり「弱い立場」である時代を

長く過ごしていた。

そうした経験があったからこそ

次のような

ことばを永さんは残しています。

 

いじめた経験は何も

活きてこないだろうけど、

いじめられた側は、

その経験をいくらでも

活かすことができる。

 

自分に絶望したことがない

人間に、

他人の痛みはわからない。

 

 

人間は、

今が一番若い。

明るく生きるには、

まだ、何歳と

考えよう。

 

 

永さんと

60年来の親友である

黒柳徹子さんは、

永六輔と聞いて、

最初に抱く印象は?

と聞かれて、

 

永さんは、かっこいい人だったわ。

何がかっこいいって、

なにもかっこつけないところが、

かっこよかったの。

周りからみて、

気が狂っちゃうんじゃないかってくらい

忙しそうでも、

苦しそうな顔は、

いっさい見せなかった。

 

かっこつけない、

かっこよさ。

これは、

多くの人も言っていたそうです。

 

永さん自身は

次のように語っています。

 

かっこつけないのが

かっこいい。

かっこいい人の条件は

人知れず

闘っていること。

 

 

ということで

今日は

このへんで。

また明日

お会いしましょう。