【書評】「同志社大学神学部」佐藤優 光文社  | 中小企業診断士グループ“YTD”のブログ

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しんしんです。

佐藤優氏は多作家であるが故に、作品に玉石混淆が混じるのは仕方ありませんが、「同志社大学神学部」は玉の方に近い作品だと思います。

前半部分は著者の大学・大学院時代の友人たちとの酒場での交流を中心に語られています。佐藤氏の著作に親しんている方であれば、何度か目にした話が出てきますが、入学当初にフォイエルバッハの無神論から始まった佐藤氏のキリスト教理解の変遷を改めて復習することができます。

後半部分は著者が研究者の道から離れ外交官を志し外交官試験に合格するまでの軌跡を辿っています。この進路の転換については、他の著作を併せて読んでもわかりにくい部分が多い。
チェコの神学者フロマートカを研究するためにチェコに留学したい、という動機はわかります。当時の共産圏への留学事情についても触れられていて、同志社大学から神学生として留学できる共産圏の国は東ドイツに限られていました。しかし、チェコ神学についてはスイスにもフロマートカの弟子がいて、チェコの神学校に訪問する機会もあることにも触れられていますが、著者はそれでは共産圏の内側からキリスト教について感じることはできないということでこの進路選択を断念します。その代替案として外交官として留学する道を選びました。

しかし、外務省の専門職では、チェコ語のようなマイナー言語の選択も可能ではありますが、基本的には外務省の人事の事例によって選択する言語が割り当てられます。佐藤氏もチェコ語を希望しながらも与えられたのはロシア語でした。

よって、最初からチェコを目的にしていたにしては外務省という選択は不自然です。当然のことながらチェコ神学やフロマートカについて学びたいという気持ちは本物だったのだとは思いますが、結果的に外交官という進路を選択したのは、氏の潜在意識のどこかに権力志向の部分があったのではないかと思ってしまいます。著書の中でも、友人からの指摘として、氏の競争志向について紹介されていますが、学者村の中では満たされない競争環境を求めたのが外交官を選んだ理由だったのではないでしょうか。



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※講師プロフィール
日比 恆明(ひび つねあき)
弁理士・日比特許事務所。ニッチ企業研究の第一人者。
中小企業が生き残る道は隙間商品を製造することを理念に、脱下請け企業の支援を展開。
マスコミに一切載らない隠れた超優良中小企業を取材してきた経過で、中小企業が生き残る道は隙間商品を製造することであると結論づけ、単品商品で年間売上が1~5億円でありながら、粗利が6~7割のヒット商品がどのように生み出されてきたかを研究。
アイデアが生まれた原因、商品がヒットした理由、事業化の構想などを分析してきた。

●著書:
下請けやめてニッチをめざせ!!―不況知らずの超優良企業』(ウエッジ社発行)
大商談―これが“見本市”だ!』(ウエッジ社発行)
『日経ベンチャー』誌で平成15年 9月より一年間『ニッチのつわもの』を連載。
●ブログ:
日比 恆明のニッチでリッチ

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