昨日は連休後の初出社日ということで、疲れきってしまいました。今日も少し疲れが残ります。10連休の反動は凄まじい。
ところで、連休中に、コンピュータ将棋選手権が行われました。
結果は、1位 Bonanza、2位 Ponanza、3位GPS将棋。
電王戦では三浦八段を圧倒したGPS将棋が3位ですから、コンピュータの進歩の速さには驚かされます。名人戦や竜王戦では連覇が続いていますが、コンピュータ将棋選手権では連覇はなかったと記憶しています。それだけ、将棋の可能性はまだまだ豊富に残っているということです。
今回は優勝したBonanzaについてお話ししたいと思います。
2007年3月にプロ棋士とコンピュータの間で初めてのタイトル保持者との公式試合が開催されました。
コンピュータ代表はBonanza、人間代表は渡辺竜王でした。
Bonazaは、当時としては斬新な「全幅検索」を採用しました。従来の将棋ソフトが「選択検索」という、ある程度自然とされる指し手に絞ってから指し手を選択するアルゴリズムから、可能性のある手を片端から全部読み込んでしまう「全幅検索」を採用したのが革新的とされました。
チェスの世界では既に全幅検索が主流でしたが、将棋はチェスに比べ選択肢の数が圧倒的に多いため、当時のコンピュータの能力では全幅検索は現実的ではないとされていました。その常識を覆したことに大きな意味があります。
2006年のコンピュータ将棋選手権では、高性能なワークステーションを持ち込む強豪に対し、低スペックのノートパソコンで優勝しました。全幅検索の凄みがわかります。
しかし、その時のBonanzaの棋力は渡辺竜王によれば奨励会三級程度とされていました。プロになる要件が四段なので、その辺の腕自慢のアマチュアと比べれば圧倒的に強いですが、プロとは歴然とした差がありました。
2007年3月の公式対局が始まります。Bonanzaは高性能マシンを投入し棋力を奨励会二段から三段程度にまで上げてきました。竜王は、「10秒将棋ならプロレベル」という判断をしています。ちなみに史上初の女流五冠となった里見香奈女流棋士は、奨励会初段です。
渡辺竜王の著書「頭脳勝負」では、この勝負について次のように感想を残しています。
傍目には辛勝に見えたかもしれませんが、当事者としては「余裕がある一点差」という感じでした。接戦になってしまった原因は、相手の強さを見誤ったことで、「弱いと思っていたら強かった」と「最初から強いと思っていた」では全然違います。
2013年のコンピュータ将棋選手権では、Bonanzaがチャンピオンに返り咲きました。来年の電王戦には、大将として渡辺竜王が登場するのではないかと噂されています。Bonanzaによるリベンジマッチが実現するかどうか、将棋ファンとして期待が大きいです。
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