はじめに

 

この記事はPokémon RNG Advent Calendar 2018 一日目の記事です。

無事に今年も開催され、空き枠もぼちぼち埋まり、新たな顔ぶれも揃い、めでたいですね。いやーめでたい。

 

概要

 調査を行ったのは8月の下旬ごろ。何がきっかけだったかは忘れましたが、自分の中でやたらとBW2熱が再燃していました。BW2にはおそらく歴代最高峰のやり込み要素である「メダル集め」があります。メダルの入手方法はスタンダードな図鑑埋めや捕獲数、すれ違いなどから、マニアックなものだと自販機で当たりを出す、イッシュの難関を制限付きでクリアするなどまで。今では入手が不可能なPDW関連のメダルもあります。その中に「1匹のポケモンだけでポケモンリーグを制覇する」が獲得条件の「ワンアンドオンリー」、「〇〇タイプのポケモンだけでポケモンリーグを制覇する」が獲得条件の「〇〇チャンプ」がありました。まだ未取得だったこれらのメダルを見て思いました。

 

『1匹だけで〇〇チャンプ系メダルを全部獲得してみよう。ノーマルモードやイージーモードでやってもつまらないからチャレンジモードでやろう』

 

 初めのうちは適当にリセットを多用して道具もじゃぶじゃぶ使ってクリアしていったのですが、やっぱりそれでは意味が無い…と思ってしまいました。「できる限り不安定要素を排し」「可能な限り被弾を抑え」「無駄なくワンパンしていく」、そのためには四天王の手持ちポケモンの詳細な情報が必要です。が、しかし。調べる限り調べつくしても、実数値を記したサイトが見つかりませんでした。1つも。

 未開の地を発見したら、自分の手で開拓するしか無いですよね。頑張って調べました。

 

調査方法

 調査すべき事項はおおまかに2つに分かれました。1つは個体値の特定。もう1つは性格の特定です。

個体値については少ないながらも先行研究がありましたので、それを一応正しいものとして(のちに異なる事実が判明しましたが)性格の調査を進めました。性格特定は、具体的には

  1. 混乱実を投げて下降補正位置を特定
  2. 素早さを 無補正+1 ~ 上昇補正-1の間に調整したポケモンでS補正の有無を特定
  3. BDの種族値が近いポケモンは特性:ダウンロードでBD補正の有無を確認
  4. 無補正の場合に確定1発、上昇補正の場合に乱数1発に調整した攻撃を複数回行い、耐えるかどうかでBD補正の有無を特定
  5. 3と同時に被ダメージからAC補正の有無を特定

の順で行いました。

<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">混乱実投げるか</p>&mdash; やつな@无現里新参 (@sub_827) <a href="https://twitter.com/sub_827/status/1032031624521691136?ref_src=twsrc%5Etfw">August 21, 2018</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

 

調査開始~懸案事項発生

 実は5世代では混乱実はレアアイテムです。PDWかぐるぐる交換の報酬かでしか手に入りません。PDWはとっくに閉鎖しているので、今から欲しい人はぐるぐる交換をしましょう。今回は幸運なことにPDWで入手していた混乱実が残っていました。と言っても各種1個~4個しか無かったので、セーブして投げてリセットを繰り返しました。この作業だけで1日かかりました…。

また、ここで実数値が絡む調査段階に入る前に、念のために「いたみわけ」を使用してHP実数値を特定し、個体値の確認をすることに。しかし…

どうやら個体値21では無い模様。というか一定ですら無い…?

 

問題解消~調査完了

ちょうどチート環境があるフォロワーさんがいたので、ちょちょっとアレしてレンブのナゲキを捕獲し、実数値を覗いてもらいました。

すると何とLvが77から73に戻ってしまったとのこと。

Lv.73の条件で計算したところ、どのポケモンも個体値30の時のHP実数値と一致しました。

どうやらチャレンジモードの処理は「実数値はそのままでLvだけを+5する」らしいです。四天王はチャレンジモードで手持ちが変更されるので、例外的に実体がLv73,Lv+4で見た目上ノーマルモードのLv+5になっている模様。

これで心置きなく残りの調査に移れます。

こういうちまちました作業を延々と繰り返しました…。

思わぬネタの発見も。

残りは…特に特筆すべきことも無く、無事に調査終了まで漕ぎつけました。

 

実はここからが本番でした

もともとの目的が「強化四天王をチャレンジモードで単騎クリアする」だったので、実数値がわかったらクリアするための個体を調整しないといけません。メダルを取っていないタイプの組み合わせで、被りが無いようにして。調整の際に十分考慮すべきなのは

  • ナゲキの頑丈、オノノクスのタスキへの対処
  • 全員に先手を取れるSの確保
  • Bが硬いボスゴドラ、Dが硬いバンギラスを倒せる打点

です。

1点目は連続技、特性:かたやぶり/ターボブレイズ/テラボルテージ、1発耐えるなどが考えられます。タイプによっては「耐える」を選択せざるを得ませんが、レンブは先制技持ちのポケモンが多いので急所込みですべて耐えるよう調整したいところです。

2点目についてはもっとも素早さが高いのがシキミのシャンデラ@スカーフが実数値241なので、242を確保する必要があります。

3点目は両刀も視野に入れて調整を行いました。

 

出来た個体の例が次の2体です。

 

ゲンガー@珠/眼鏡(相手によって持ち替え)

やんちゃA244B12C252(個体値29-31-31-31-31-31)

シャドーボール

ヘドロ爆弾

エナジーボール→10万ボルト(アイリス戦前に変更)

ドレインパンチ

 

ワルビアル@こだわりハチマキ/達人の帯(相手によって持ち替え)

いじっぱりA252B168S88 特性:じしんかじょう

かみくだく

じしん

かわらわり

うちおとす

 

ゲンガーは珠ドレインパンチでバンギラス、ボスゴドラ共に確定1発…のはずが、アイリスがボーマンダを先に出してきた場合はボスゴドラが2発です。エナジーボールはワルビアルに、10万ボルトはラプラスに。オノノクスの型破り地震を蓄積した珠ダメ込みで1発耐えます。急所は無理です。

ワルビアルはシャンデラを抜けるだけのSを確保し、A特化して残りをBに回しました。ナゲキの馬鹿力、コジョンドの猫騙し、ルカリオの神速をすべて食らっても耐えます(たぶん)。ギーマのドンカラスは拘り瓦割りで1発です。帯うちおとすでも倒せますが、連打の方が操作が楽です。

 

…「耐える」は火力面での調整がカツカツで、急所込みは無理でした。

 

 Q.他のタイプは? 

 A.……おそらくやったはずなのですが、手元にメモが残っていませんでした。誰か調整を考えてカレンダーの記事にしてくれたら嬉しいなぁ。

 

 というわけで、実機調査の記録でした。エミュレータ等で覗ければ一瞬で終わるんですけどね。DSの吸い出しができる機械を持っていないのです。実機調査には実機調査の楽しさがあるので、時間を持て余している方はぜひ挑戦してみてください。案外最新世代に近い程、マニアックな情報が公開されていなかったりするので(これもクソアフィサイトが蔓延してるせいだ)、案外調査対象は転がってたりします。RTAなんかに需要があったりなかったり…? 思わぬ乱数調整のネタになるなんてこともあるかもしれません。1人でも多く、ニッチな分野の実機調査をする人が増えればいいなぁと思います。

 6日目の担当は便利なスマホ用個体値計算/ダメージ計算アプリの製作で有名な@star__hoshiさんです!!