私はこれと言って趣味もない、推しもいない、ぼんやりとした人間なのですが、唯一大好きなレジャーがあります。
そのレジャーは泥まみれになります。
暑かったり、寒かったりしますが、大抵日焼けしてしまいます。
大変な忍耐を必要とし、必ず酷い腰痛、筋肉痛を伴います。
しかし、苦労の果てに、ダイヤモンドを見つけたような大変な喜びを味わうことができます。
さらに、終わった後の数日間は得られた物を目で見て楽しんだ後に、文字通り味わうことができるのです!
お分かりになった方もいらっしゃるでしょうか。
そのレジャーは潮干狩りです。
原始より引き継がれてきた採取の本能を呼び覚まされるのでしょうか。
泥の中から、栗のような手触りの、丸々とした浅蜊を探り当てた時の喜びは計り知れず、もう一つ、さらにひとつと求め、掘り進むのを止められないのです。
元気なら、浅蜊を掘る職業に就きたいぐらいなのです。
そして、持ち帰った浅蜊を塩水に漬け、新聞紙を被せて、暫く置いておきます。
するとごそごそ傾いて管を伸ばし始めます。
そっと覗くと、ぴゅーっと潮を噴き出すのが堪らなく面白く、見てて飽きない程です。
次の日からは、酒蒸し、お吸い物、炊き込みご飯、ボンゴレなど、しばらく貝料理を楽しみます。
こんなに楽しい潮干狩りなのに、近年漁場は減る一方です。
環境の変化により、年々浅蜊などの二枚貝は採れなくなっているそうです。
私の住んでいる県では浅蜊の採れる潮干狩り場はなくなってしまいました。
滅多に潮干狩りに行けなくなってしまい、本当に残念です。
残念過ぎて、庭を掘っていると大きな貝が採れて、嬉しくて夢中で庭を掘りかえす夢まで見てしまいました。
最近は毎日祈っています。
今年も潮干狩りに行けますように。
どうか浅蜊が増えますように🙏