ジブリ映画:「ホタルの墓」から学ぶ
人間関係の悩みを解決する方法
Wikipedia参照
『火垂るの墓』(ほたるのはか)は、野坂昭如(のさかあきゆき)の短編小説。野坂自身の戦争原体験を題材した作品である。兵庫県神戸市と西宮市近郊を舞台に、戦火の下、親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするが、その思いも叶わずに栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた物語。愛情と無情が交錯する中、蛍のように儚く消えた二つの命の悲しみと鎮魂を、独特の文体と世界観で表現している。
キャスト
清太(けいた) 節子(せつこ)
親戚の叔母さん
叔母さんの娘 叔母宅の下宿人
【あらすじ】
主人公の清太と節子は
母親と父親を亡くし、親戚の叔母さんに面倒をみてもらうこととなる。
しかし、親戚の叔母さんの立場からすると
ただでさえ食糧難の中、
娘と下宿人の食事の世話をし、
その上に2人の孤児(みなしご)の面倒をみるのは
とても難しい状況だったと思われます。
清太は
実家の庭下に埋めていた
ニシンや鰹の干物、梅干しなどを叔母さんに提供したり
母の着物をお米に変えて叔母さんに提供しました。
それでご飯を食べさせてもらっていたのですが、
しばらくすると、食事が、ご飯から雑炊に変わります。
(節子は雑炊を嫌がりました)
叔母さんは
清太に「助け合いという事を考えてくれな、あんたらはお米ちっとも出さんとそれでご飯食べたい言うても、それはいけません。通りません。」「うちとあんたらとご飯別々にしましょ」と伝えます。
その日から
清太は自分で食事の用意をするようになり、
叔母さんとも険悪な仲になり
居心地の悪さから
清太と節子は叔母さんの家を出て、
沼近くの横穴で生活するようになります。
ですが戦時中で、みなが飢えている時代
14歳と4歳の子供だけで生活していけるわけがありません。
やがて、栄養失調から
節子は亡くなり、兄の清太もその後しばらくして亡くなります。
【何が悪いのかと見るのではなく、まずはそれぞれの立場を理解する】
よくこの映画では
清太と節子が死んでしまったという悲劇(悪果)に対して
·意地悪な叔母さんが悪い
·意地を張った清太が悪い
というように、
悪い結果が起きた原因は誰にあるのか、
何にあるのかと、様々な意見が言われます。
今日は誰が悪いのかではなく、
自分が叔母さんの立場だったなら、
自分が清太の立場だったなら、と考えてみたいと思います。
【叔母さんの立場】
叔母さんは
ただでさえ食糧難の中、
娘と下宿人の食事の世話をし、
その上に2人の孤児(みなしご)の面倒をみるのは
とても難しい状況でした。
その上、
清太と節子は家の手伝いをするでも無く、
世話してもらっていることに感謝するでもありません。
ただ、家でごろごろ過ごしているだけです。
こんな状況がずっと続くと思うとどうでしょうか?
(叔母さんが清太や節子に対して良い感情を抱かないのはとても
うなずけると思いませんか?)
【叔母さんの心】
・見返り心
自分が相手にしてあげた事に対して、感謝されたい。相手にもこちらがしてあげた分以上の何かをして欲しい。と思う心。
・怒りの心【三毒の一つ】
自分の欲が満たされない時に、その原因を相手におく心。
・愚痴の心【三毒の一つ】
因果の道理が分からぬところから起きる恨み、妬み、嫉みの心
【清太の立場】
清太は14歳の子供で
現代ならまだ中学生です。
その上に父と母を亡くし悲しい気持ちもあるなかで、
幼い妹の面倒をみなきゃいけないという責任感もあります。
母親は、清太が離れている間に爆撃で亡くなりました。
そんなこともあって、清太が節子の側を離れられない気持ちも
よくわかります。
清太は学校も無くなり、これから何をすればよいのか分からない状況です。
また清太も母の形見の着物まで手放し、
叔母さんに食料を提供しました。
それでも叔母さんには小言を言われる日々です。
節子も肩身の狭い思いをしていて、辛そうにしています。
こんな状況がずっと続くと思うとどうでしょうか?
(清太が節子と家を出たくなる気持ちもとてもよくわかります。)
【清太の心】
·我慢【七慢の一つ】
自分の間違いに気づきながら、どこまでも自分の意見を押し通そうする心
·愚痴の心【三毒の一つ】
因果の道理が分からぬところから起きる恨み、妬み、嫉みの心
【人間関係でトラブルが発生した時、自分の心はどうだろうか?
相手の心はどうだろうか?】
・見返り心
・我慢
・怒りの心
・愚痴の心
といった心は人間誰しもが持っている心です。
この心を持っていない人は世の中に一人もいません。
だからこそ、この心になったからといって、
自分の心を責めても、相手の心を責めても
人間関係のトラブルは解消しません。
【心を理解してあげる!】
では自分が人間関係のトラブルに遭遇した時には
どうすればよいのでしょうか?
答えは、心を理解してあげることです!
①今の自分の心はどうなっているのかを理解する
②今の相手の心はどうなっているのかを理解する
③自分は何を望んでいるのか理解する
④相手は何を望んでいるのか理解する
先述した
・見返り心
・我慢
・怒りの心
・愚痴の心
というのは、自分の望みとは関係なく作用します。
そして、これらの心は、よりいっそう人間関係のトラブルを悪化させます。
この心の作用を無くすには、
まず自分がこの心を理解してあげることが大切になります。
今の自分は怒っているんだなぁ。
今の自分は相手に見返り心を抱いているんだなぁ。
と自分の心が乱れている事を理解してあげること。
そうすることで、乱れた心が少し穏やかになってきます。
また相手の心の状態を理解してあげると
相手が自分に言ってくる言葉もなぜそんなことをいうのか
理解できるようになります。
【自分が望む事と相手が望む事が両立できる方法を考える!】
両立できないものなら
※自分の望みが相手にとって都合の悪いこと
※相手の望みが自分にとって都合の悪いことなら
その望みを叶えることはできません。
その望みは捨てましょう。
両立できるものだと判断できた時には、その手段まで
自分で分かっているものです。あとはそれを実践します。
【人間関係のトラブル例】
・友達と喧嘩してしまった
・先輩に迷惑をかけてしまった
・親と意見が衝突した
・恋人と距離が遠くなった
・悪い人からの誘いが多い
【相手にしてもらうのは難しいけど、自分がすることはできること】
・自分から相手の為に動く
・相手を理解してあげる
・謝る(反省する)
・お礼をする(感謝する)
・悪かったところを改善する(約束を守る)
・互いの望みを叶えられないことは断る
【叔母さんと清太の場合】
【叔母さんの心】
・見返り心
・怒りの心
・愚痴の心
【清太の心】
・我慢
・愚痴の心
【叔母さんの望み】
叔母さんと娘と下宿人が食事ができて生きていける事
【清太の望み】
清太と節子が食事ができて生きていける事
【叔母さんの望みと清太の望みの両立】
叔母さんと娘と下宿人と清太と節子が食事ができて生きていける事
【その為に叔母さんができること】
清太と節子に優しい言葉をかけてあげたり、
家の手伝いを一緒にしてくれるように頼んだり、
清太にできる仕事がないか考えてあげる。
【その為に清太ができること】
食べさせてもらっていることに感謝している旨を伝えたり、
家の手伝いをしたり、
自分にもできる仕事がないか叔母さんに相談したりする。
【まとめ】
人間には
・見返り心
・我慢
・怒りの心
・愚痴の心
という心があるということ。
悩んだ時は、心を理解してあげること!
①今の自分の心はどうなっているのかを理解する
②今の相手の心はどうなっているのかを理解する
③自分は何を望んでいるのか理解する
④相手は何を望んでいるのか理解する