蔓延防止が解除され、段々と日常生活が戻ってきているのでしょうか?

個人的には、世の中の状況を観察しながら出来る所から元に戻せれば良いかな?と。

世間では鬱々としたニュースが続く日々ですが、満開の桜を眺めて少しでも気持ちを明るく出来たら良いと思っています。

 

そんな春の便りを求めて、小さな旅に出てみました。近所でもとても綺麗な桜並木が川沿いにあるのですが、勇気を出して中目黒の桜に会いにいきました。

予想はできていたのですが、圧倒的な人波💦

そそくさと人波とは反対方向に進み、こっそり端っこの方から春の一コマをパシャリ!っと撮らせていただきました。

せっかくここまで来たのだから、近くの神社さんにお詣りに伺うことにしました。

 




と言うことで、今回ご紹介しますのは、東京都目黒区中目黒に鎮座されます「中目黒八幡神社」です。

東急目黒線の中目黒駅から直接向かう場合は、約7分ほどで到着しますが、今回は目黒川の桜を撮った後向かったので、13分くらいはかかったと思います。

山手通りを渡り、駒沢通りを少し進んで左に曲がります。

そこからは一本道になるので、両脇の住宅街を眺めながら歩いていくと右手に鳥居が見えます。

 




こちらの「中目黒八幡神社」は調べてみますと、創建年代は幾度かの火災により

記録や資料がない為不詳だそうです。

ただ新編武蔵風土記の記述や、境内地の古い手水鉢の側面を拝見すると、文政の文字が見て取れます。そこから考えると江戸時代の初期にはこの地に鎮座されたと考えられるそうです。

鎮座地も、古地図と今の地図を照らし合わせても変わらずに坐す。

古くから中目黒村の総鎮守として崇敬を集めていたことでしょう。

 

御祭神は、誉田別命(ほんだわけのみこと)。応神天皇です。

「応神」とは、死後の諡号(贈り名)なので、祭神名の多くは生前のお名前である誉田別命で祀られています。

応神天皇は死後、のちに八幡信仰の祭神とされ八幡神や八幡大菩薩と呼ばれ、文武両道の神として全国に広がっていきます。

特に武家の棟梁・源氏の守護神となったことで、各地の武士層から庶民へと信仰が浸透していきました。今では全国に4万社ほどの八幡さまをお祀りしている神社があるそうです。

日本人の根底に根ざしている神社なのですね。

 

相殿神は、天照大神です。

高天原を治める太陽神にして皇室の祖神、日本の総氏神とされる神さまですね。

 

後ほどご紹介しますが、境内社として「三峯神社」が祀られています。

御祭神は、伊邪那岐命と伊邪那美命です。

「国産み」「神産み」を行った夫婦神様ですね。

 

御神徳は、国家鎮護・勝運招来・増産興業。そして三峯神社の御神徳として縁結び。

どうやらこの地は、勝負運や縁結びのパワースポットで満ち溢れているようです。

 

鳥居を抜けて参道を進むと、右手に神泉があります。

ここは古くからの湧水地だそうで、現在もお水取りが出来るんだとか。ご近所の方がお水取りに来られているそうです。

しっかりフェンスで守られていて、綺麗な水を湛えています。流水音を聞いていると、都会にいることを忘れてしまう程です。

豊かな湧水でも、地域の方々を守っていることが伺えます。

 




そして左手に目を向けると、大きなさざれ石が。

記念碑には、秩父にある宝登山神社の宮司さんによる文字が見受けられました。

社殿左手奥の境内社の三峯神社を奥秩父から勧請したことからも、江戸時代この中目黒には三峯講(山犬信仰)が流行しており、その歴史が今も残っているのですね。

 




階段を上っていくと境内が広がります。参道が狭かった分より広く感じたのは私だけでしょうか?

手水舎で手を清め、早速社殿にお詣りをと思ったら、太鼓の音が鳴り響きました。

どうやらどこかの会社のご祈祷のようでした。

最近ありがたいことに、お詣りに伺うとご祈祷に立ち会うことが多くなりました。サワサワと風もそよいで、いつも神様に歓迎していただいていることを祈りとともに感謝いたします。

 



こちらの御社殿は、昭和11年9月の落成です。この八棟権現造りの御社殿は、東京大空襲の戦火を免れたそうで、とても厳かな佇まいに圧倒されます。

両脇の狛犬様や先ほど通った石の鳥居も社殿と共に奉納されています。

右手にある社務所で御朱印を授かります。今の時期は書き置きではありますが、桜色の和紙に書かれていました。桜の判も可愛らしく春の訪れをより一層短かに感じます。

 




少し境内を巡らせていただく事に。

社殿に向き合う形で、とても大きな神楽殿があります。

昔から十二座の神楽を奏することが有名で、今でも毎年9月の例大祭(第3土・日)には演目十二座の雅楽が奏されるそうです。




(神楽曲は1曲を1座と数えるそうで、十二座神楽とは12曲の神楽を奏することを基本とする場合の名称です。)

12曲も神楽を聴けるなんてすごいですよね!ぜひ例大祭には伺って聴いてみたいです!

 

社殿の左手奥には先程記述した通り、三峯神社が建立されています。

山犬様が描かれた三峯神社の幟旗は、萌黄色が映えて風にそよいでいました。

なんとなくですが、身の引き締まる思いがします。いつも神社や寺院をめぐると畏怖の感覚を覚えます。別に怖いと言うことではなく、幼い時から経験する感覚です。

 




三峯神社にお詣りし左手に目を移すと、石碑が2基建てられているのが見えました。

奥の石碑は、十二座の神楽塚です。昭和58年と比較的最近の建立です。

 



手前の石碑は敬神塔と彫られており、しめ縄が巻いてあります。あまり近寄るのも申し訳ないと思っていたら、左に説明書きが。この石碑は遥拝所として建てられた敬神塔でした。

遥拝所とは、遠く離れた所から神仏などを遥かに拝むために設けられた場所だそうです。

 

 ◎ 神宮  (伊勢神宮)

 ◎ 宮城  (皇居)

 ◎ 橿原神宮(初代神武天皇が祀られている神社)

 ◎ 明治神宮

 ◎ 靖国神社

以上の場所が書かれていました。

 

今もコロナで直接参拝に伺えない所も多いですよね。昔はもっと困難で交通機関もなく、

なかなか参拝に伺えない人が多かったと思います。

こちらでは5か所を遥拝所として敬神塔が建てられています。

この場所で、それぞれが思う神様に手を合わせている人々の姿が偲ばれます。

私達がお邪魔している間にも、地域の方が多く参拝にいらしていました。

どれだけ親しまれているか慮られます。

 



自分たちが住む街に、通る道にお社がある。社殿まで来て参拝する人。鳥居の前で会釈して行き過ぎる人。

それぞれのスタイルで八幡様と共に暮らすアイデンティティなのかもしれませんね。