3月、弥生。もう年が明けて３ヶ月💦
本当に歳を一つ迎える毎に、刻が過ぎ去る速さを実感します。
世の中は感染症が落ち着かず、未だ続く不安とうっすらとした慣れが混在しているように感じます。
それに輪をかけるように、近隣国での戦争…。
地球がザワザワしてなんだか気持ちが良くありませんね。
こんな時だからこそ、自分の出来ることを粛々と行いたいものです。
さて、久しぶりに神社のご紹介をしますね！
今回ご紹介するのは、東京都台東区にございます「小野照崎神社」です。
こちらには、以前から伺いたいなぁと思っていたのですが、なかなかご縁が出来ず、ようやく今回訪れることが出来ました。
こちらへは、JR山手線の鶯谷駅もしくは東京メトロ日比谷線の入谷駅から向かわれると良いかと思います。
私達は、根津神社 → 寛永寺 → 小野照崎神社という順でおまいりをしました。
上野桜木町界隈をスルッとなぞりながら、下町散策気分を味わいました。
個人的には今度、谷中あたりまで足を伸ばして文学散策を目論んでいます（笑）。
寛永寺からJRの線路を渡って少し歩くと、だいたい15分ほどで到着します。
鳥居の前に人力車が止まっていて、老紳士が乗っていきました。何とも粋ですね！
鳥居をくぐると左手に手水舎があります。入り口は少し狭く感じたのですが、奥に敷地が広がっていて、なんとも居心地のいい空間が広がっていました。
御祭神は、小野篁命です。
相殿神として菅原道真命も祀られています。
この小野篁公ですが、申し訳ないことに近年まで存じ上げませんでした。
知ったきっかけは、皆さんご存知寅さんでお馴染みの渥美清さんでした。
渥美さんがまだ売れなかった時代、この小野照崎神社にお詣りして「好きなタバコを止めますから、役者として活躍できますように…」
とお願いしたそうです。その後「男はつらいよ」の寅さん役が来て長きに渡り代表作となりましたね。
これを聞いて、ビビリの私は「これだけの決意がないとここには行けない」と思ってしまいました。何とも情けないお話。
さて、ではこの小野篁公はどんな方だったのでしょうか？いろいろ調べていくと全く知らなかったわけではありませんでした。
篁公は、平安前期の漢詩人であり歌人でした。小倉百人一首11番
「わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
人には告げよ 海人の釣り舟」
この句、一度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか？
同時に、朝廷では政務能力に長けた官吏。そして何より親孝行。
しかし、あまりにも真っ直ぐすぎるので、嵯峨天皇の怒りを買い隠岐島に流されてしまったこともありました。
上の句は、その時詠まれたと言われています。
当時の流罪は絶望的なものですが、なんと2年で都に呼び戻されたのでそんな奇跡の復活劇もあり、後に「閻魔大王の補佐」と言われたのかも。
実際、藤原良相（ふじわらのよしみ）を始めとして、何人も冥土から生還したという伝説も残されています。
これだけたくさんの偉業や伝説がある篁公。真摯にお願いすれば叶えてくれますね。
ただ、さすが冥官。何かを断つということを約束とした事で願いを叶えてくれるというのは合点がいきます。だって約束破ったらきっと閻魔様に舌を抜かれてしまうでしょ？
御神徳は、学問成就・芸能上達・所願成就・合格祈願です。
篁公と道真公がお守りくだされば、心強い限りですね。
本殿に向かい、伺えたことの感謝をお伝えしました。
でもお願いはしませんでした。もう少し覚悟が出来たらその時に…（汗）。
厳かさを醸し出す本殿ですが、関東大震災と第二次世界大戦での大火を免れたそうです。創建時の姿を今も尚感じられるのはとても貴重ですね。
本殿左には富士塚があります。誰もが富士山に参詣できなかった時代にはとても大切な役割があったことでしょう。霊験あらたかと言いましょうか、前に立つと圧倒されます。
今でも、夏越しの大祓と富士山の山開きに合わせて6月30日と7月1日に一般開放されるそうです。
富士塚の前には、織姫・稲荷神社がございました。
この稲荷神社がもともとあるこの地の地主神様でした。そして戦後織姫神社が合祀され、恋愛と仕事を結ぶ、結びの神様となったそうです。
（小野照崎神社は元々上野照崎という地にありましたが、寛永寺の開山によって今の下谷に移されたそうです。）
他にも、日本三大庚申と言われる庚申塚があり、その空気感にはまたしても圧倒されてしまいました。
何よりも境内にはなんとも猫ちゃんの多いこと！お詣りに来られた方の膝の上で気持ちよさそうに寝ていたり、近所の方にご飯を頂いたり。とても人懐っこくて
とても癒されます。
授かりました御朱印にも、篁公と猫さんの可愛らしいイラストがありました。
愛されている猫ちゃんたち。幸せそうですね。
ちらほらと桜がほころび始めた弥生の空。素敵なパワースポットで充電完了！
さぁ、明日に向かって参りましょう！！