昨日は全国的に天候は荒れ模様。特に関東〜東北にかけては一日中冷たい雨が

降っていました。雨の日は嫌いではないのですが、冬の雨は体の芯まで冷えます。

 

一転、今日12月9日は穏やかな晴天となりましたね。

実は本日、不肖私の誕生日でございまして(苦笑)。外食だけでは勿体ないのでお散歩がてら、神社にお詣りさせて頂くことにしました。

 

ご紹介しますのは、神奈川県横浜市港北区にございます「師岡熊野神社」です。

場所は、東急東横線大倉山駅より約8分。

大倉山駅の改札を出ると左に。レモンロード商店街を抜け(爽やかな名前ですね)

綱島街道にあたったら横断歩道を渡ってから左に向かいます。

緩やかな上り坂を歩いていくと、熊野神社入口と言う信号が見えるので右へ。

住宅街を抜けていくと、左側に立派な石の鳥居と狛犬様が見えてきます。

 



右側には、よく見てみるとひらがなの「い」の字をした池があります。

真ん中には弁財天様が祀られていました。

ここは、雨乞神事が行われていた場所だそうです。

そしてもう一つ伝説が。「片目の鯉伝説」です。

遠い昔、熊野権現がこの地の悪者を退治した時に、弓矢で目を射られてしまいました。

その時に、この池に棲む鯉がその美しい目を権現様のために差し出したのだそうです。

 



こちら「師岡熊野神社」の御祭神は、伊邪那美尊、事解之男命(ことさかのおのみこと)、

速玉之男命です。

 

由緒ですが、社伝とよりますと724年に創建されたそうです。

全寿仙人がこの地で不思議な霊威を感じ、御神木の梛(なぎ)の大木の空洞で法華経を読み続けると、ある晩夢枕に熊野大神が立たれました。

そのお告げに従って大和国の春日明神に参籠。神霊を感得してこの地に帰り熊野大神を祀ったそうです。

(なぜ春日明神に籠ったんでしょう?熊野の権現様と何やら関係があるのでしょうか?)

そして885年になると、光孝天皇の勅使六条中納言藤原有房卿がこの地に下向され、

「関東随一大霊験所熊野宮」の勅額を賜り、以降 宇多・醍醐・朱雀・村上天皇の勅願所となったそうです。

更には社僧十七坊(神社付属の寺・僧)が附せられ、神仏習合の中で信仰を集めました。

 

平安時代から、遠く離れた朝廷までにも名の知れた霊験所だったんですね。すごいです。

因みに、こちら熊野神社では筒粥神事と言う神事があるのですが、村上天皇の時代から今でも続けられている神事だそうです。


ちょっとだけ説明すると、竹筒や芦の筒を入れてお粥を煮て筒の中に入った米粒の数で

作柄、豊凶、天候を占う年占だそうです。

占に使用したお粥は参詣者に供せられ、このお粥を頂くと風邪をひかないんだとか。

昔からこの神事が、連綿と続いているなんて素晴らしいですね。

 

さぁ、鳥居をくぐります。

石灯籠がきちんと並んだ長い階段を上ると荘厳な社殿が迎えてくださいました。

 



社殿と相対すると、ちょっぴり体を仰け反らせてしまうくらい威厳を放っています。

伺った事のお礼と、誕生日のお礼をさせていただきました。

お詣りした後、ふとお賽銭箱の隣に目落とすと、こんな貼り紙が…。

 



なんと言う優しい貼り紙なんでしょう!確かに「お散歩参り」素敵な言葉です。

今の時期だからこそ、心身の浄化って必要ですよね。

社務所で御朱印を授かる際にお断りをして、写真を撮らせていただきました。

神社の方の優しさに感謝です。

 

御朱印を授かった後、社殿の裏手に立ち寄らせていただきました。

社殿の裏側にもしめ縄とお賽銭箱があります。こちらから参拝するとさらに近くでお詣りすることが出来るそうです。お願いって近くてこっそりしたい時ありますよね?

 



反対側を拝見すると、多くの境内社が立ち並んでいます。

左手に神明社や馬頭観音像などの石仏。

 



右手には、天満社、社御神、白山神、山王神が並び、さらに稲荷社、道祖神、御嶽社水神宮の小さな祠がありました。

 



この境内社の間には、「の」の池があります。読んだ通り丸くのの時のような池です。

この池の水は湧水で、先程お話しした「筒粥神事」にはこの水を使います。

かつて社殿が落雷にあい焼失した際は、この水が御神体を守ったと伝えられています。

 



社殿と境内社の間には、令和を奉祝して出来た庭園「令和神苑」があります。




龍の姿を表現したという臥龍の瀬と呼ばれる水辺があり、高低差を設けて小さな滝が出来ています。

 





周りには四季折々の草花が植えられていて、今は銀杏の葉が、黄色い絨毯のように敷かれていました。

 


熊野神社の神紋は八咫烏です。日本サッカー協会のシンボルマークも八咫烏なので最近ではサッカーの神社としての授与品がありました。

そろそろ2022カタール・ワールドカップがあります。

日本代表がアジア予選で苦戦しているようなので、熊野神社に参拝して応援したいと思います。

 

そしてこちらの御神籤がちょっと変わっていて、悪い運勢を表す「凶」を引くと縁起直しのお守り「禍転為福(わざわいてんじてふくとなす)御守」が授与されます。

これは、凶を引くと残念な気持ちになるので、明るい気持ちで神社を後にして欲しいとこの取り組みを始めたそうです。

先程のお賽銭箱の横の貼り紙といい、このお守りといい優しさが伝わってきます。

 




小春日和の陽射しの中、鳥達の囀りに送られながら、神社を後にしました。

 



ここまで読んでくださった方々、あれ?「ち」の池はどうしたの?と思いましたよね。

そうなんです、「ち」の池はここにはないんです。と言いますか今はもうないのです。

もともと、熊野神社から少し離れた大曽根という所にあったそうです。

今は埋立てられて公園になっていました。

私、そちらにも足を伸ばしてみました。割と広い公園でしたが、碑文などの形跡は特に見当たりませんでした。

 



何よりびっくりしたのは、実は私10年くらい前この公園の目の前に住んでいたんです!

そして熊野神社にはまたにお詣りした後、夏などは縁台(その時はあったんですよ)に座って涼ませていただいていたんですね。

何も知らないって恐ろしい限りです(汗)

 

色々な思い出と合わさりながら、何十回目かの誕生日は楽しく過ごす事が出来ました。

こんな特別な日の過ごし方もいいですね。

また新しい1年、どんな神社や寺院に伺って、どんな神様や仏様にお会い出来るでしょう。

素敵な年になりますように…。