昨日は朝からずーっと雨が降ったり止んだりしておりました。

とても蒸し暑く近頃の何日かよりは温度は少し低めでしたが、はっきりしない感じのお天気の日でした。

 

先月、書の作品を今回展覧会に出したという内容のお手紙を本当に久しぶりにいただいたのです。

今まで、書を書いているということはお聞きしておりませんでした。今回初めてご連絡をいただいたのです。

以前勤め先が同じで、美術がお得意な方で、宮城県の出身の方でした。

私も中学1年の冬休みから、高校1年の夏休みまで仙台におりましたので、なんとなく仲が良かったといいますか、一緒に何かをやるとか、何処かへ行くとかの付き合いではなかったのですが、年賀状のやりとりなどで、細く長く繋がっているという方でした。

とてもおっとりとした物静かな方と言った方がよいでしょうか。

どうも書は勤めが一緒だった頃に始めたようでした。

 

考えてみると、書の展覧会にお声をかけていただいたのは初めてだと思います。

 

姉が、水彩画とともに、ある時期、書にも通っていて一度、上野の東京都の美術館に見にいったことがあります。

しかし書というものは様々な種類がありまして、どこをどう見れば良いのか、はっきりいってわからないのです。

 

昔、小学生の頃、お習字のお稽古にもいったことがありましたが、カチッとした書体ではなく、くにゃくにゃとした書体でしたので、学校などで推奨されるお習字ではありませんでしたので、冬休みの書き初めの宿題に役立つことはありませんでした。

 

今回は、【第75回毎日書道展】というかなり大きな規模のもので、Aのスペースの1、2、3階に展示されておりました。この規模では到底全体を見ることはできないと感じました。

見れば見るほど、この規模では作品と向き合って彼女の作品に到達することはできないと思いました。

1階には賞を取られた方や、審査にあたられた方などの作品が並んでおりました。

どんな形のものが優れた作品とされているのかと思いましたので、1階は割合きちんと拝見させていただきましたが、もうここらあたりで膝に違和感が出てまいりましたので、これは彼女の作品を早く捜しださねばと思いました。

会場図を見ましたら、2階が主に会員、3階が会友とのことでしたのでエレベーターで3階まで上り、名前のあいうえお順での展示とのことでしたので、探しました。

中国の詩人 王維  の詩を漢字で書いたとのこと。

ここまでくると足が疲れておりましたので、3階は彼女の作品を中心に周辺だけを拝見することにしました。

近頃、大河ドラマが平安時代のお話なので、主人公や、その周りの登場人物が書をしたためる場面が結構出てきます。もちろん和歌をしたためるのですから、美しいかな文字ですが、時々それを書く紙のお話などが出てくるのです。

その頃、紙はかなり貴重なもので、もちろん手すきの和紙ですがそういった紙に歌を書くということが占める重さにちょっと思いをめぐらすことができました。

 

こちらの作品を拝見しましても、遠くにある作品ほど、紙の色合いと文字の墨の配分がはっきりわかりこういう広い場所で、眺める良さも感じましたが、やはりこの量はかなりなものでした。近頃、美術展は本当に体力だとつくづく思うのです。

 

しかし彼女の作品を見に行って良かったです。

薄く色がついた紙に、割合小さめの文字が4行で並んでいました。

特徴的な字でしたが、割合墨黒々と勢いがあるものが周りに多かったのでかえって、その味わいをよく感じ取ることができました。

 

こうやって自分を表現できるものがあることはすばらしいことです。

しかしこの展覧会は、会期を4つに分けて6日間ずつ行われるそうです。その数にも圧倒される思いです。