湿気と風の強さと雨の振り方は、もう台風の感じでした。

今週は昨日しか出かけなくて良い日はなかったのです、細々とした用事がありましたが、これを全部吹き飛ばしてしまうような日でした。

 

移調していただくための楽譜の用意や、7月の時の講座のための伴奏譜やら、発送するものはたくさんあったのです。

どうも、途中で出かけなくてはならない日は、落ち着かないのですが、昨日は雨や風に追われるような感じでした。昼間のうちに出かけるところへ行かなければ夜にかけて雨がひどくなるとのことでしたので。

 

本日水曜日は夕方から《天地創造》の練習がある日です。

木曜日は、《コジ・ファン・トゥッテ》

金曜日は、リハビリの後、合わせ練習、その後王子ホールまで。

土曜日は、お弟子先生レッスン、

日曜日は7月のコンサートの聴き合い会兼原稿の読み合わせ会と続きます。

 

昨日雨と風の中、《天地創造》の練習をしておりましたら、不思議なことにこのハイドンの音楽は不安感のようなものを取り払ってくれる効果があるように思いました。

この2週間、他のものの練習に追われてあまり練習ができなかったので、またまた色々忘れているのではないかと心配していました。

しばらく間が空いて歌ってみますと、なんだか心が落ち着くといいいますか、安心感のようなものがこの《天地創造》から放出されてくるように思うから不思議です。

ハイドンの曲の中にはそういう要素があるのかもしれません。

この世の混沌とした状態の中から生まれてくる天地。

混沌の中から出てくる合唱。あくまでもピアニッシモで歌われた混沌の中に光が差す、そんなシンプルな形が昨日の嵐の状況にぴったりだったのかもしれません。

 

先日またまた本を9冊まとめ買いをしましたが、その本の中に《切り裂きジャックの告白》という、またまた中山七里の小説がありました。この名前に出てくる「切り裂きジャック」はたしかベルクのオペラの《ルル》の最後にルルを惨殺するのですよね。

 

そこでちょっと何を今更………という題名だったのですが、購入してみました。この作家のお話はテーマになるものがあちらこちらいろいろな広さを持ちびっくりするほどのものを持っているのです。反面その時を過ぎてしまうと過去のこととして古びてしまう要素ではあるのです。

この小説では臓器の移植と絡んだ話なのです。いきなり臓器を抜かれた死体が発見されるところから始まるのです。

「切り裂きジャック」という有名な昔の事件は、娼婦を猟奇的に殺害したということしか知らなかったのですが、臓器を抜いたりしていたということを今回初めて知りました。この中山七里という方の本はどんどん出版されているのです。

書くことが早い方なのだと思いますが、しかも現代の様々な問題に焦点が当たっていて、原子力発電所の問題、子宮体癌のワクチンの問題、臓器移植の問題など、今の時代の問題に事件がからんでいるという形なのです。

おりしも一昨日の新聞に臓器移植をする病院が減ってきているのだというような記事が現実に載っておりました。

IPS細胞のことも 小説の根底に流れておりました。

動機の点で今回はあまり納得いくものではありませんでしたが、出だしから中間部までドキドキ感はありました。

悪い癖で、途中で飽きてくると、最終段階を読んでしまって結末がわかってからもう一度飛ばしてしまった辺りに戻り、どうやって解決に至るのかを読み直すということをするのですが、この本に限っては、結末に飛んで読むことをしませんでした。

その解決に至る流れをちゃんと読んでみたいと思ったからだと思います。

 

さて、本日はハイドンのパワーをいただいてきましょう。

なんだかプラスの要素といいますか、これは聴いているだけではダメなように思います。

自分が演奏者として関わって初めて感じられるようなものだと思います。

なんだか、バッハともヘンデルとも違っている要素があるように思うのです。