一昨日の大先生レッスンではいつもより30分レッスン時間を伸ばしていただきました。

4月のレッスンでは、ハイドンの2曲を丁寧に見ていただきましたので、一緒に持っていったマーラーの曲を聴いていただけませんでしたので、今回も4月と同じ3曲を持っていったので、人数との関係もあって、いつものレッスン時間より30分多い時間設定のレッスンをしていただくことができました 。

マーラーは今回必ず聴いていただきたかったので、まず一番最初にマーラーを歌うことにしました。

これで良かったと思いました、丁寧に教えていただくことができました。

マーラーでほぼ1時間が経ってしまいましたが………

娘と死神 (死んでしまったトランペット鼓手の彼) のやりとりと考えて、その場面の映像を頭に描いてみたらどうだろうと、大先生がフレーズごとに説明してくださいました。

そう言う内容だと考えるから、このフレーズの歌い方を自分だったらこう言う風に歌うだろうと、一つの例を示してくださるのです。

かなり、詳しく教えてくださいましたので、自分の中にしっかりと残っていることがわかります。

 

実は大先生に習い始めてまだ日が浅い頃、マーラーの曲4曲を勉強したことがありました。

まだその頃はどういう風に勉強したら良いか皆目見当がつかない状態でした。

そんな状態だったので一回通して歌ったとは思うのですが、ほとんどご指導していただけませんでした。大先生にレッスンしていただくまで、リートを練習したことがほとんどなく、何をどうやっていったら良いのか、手探り状態でした。

事前にお弟子先生に教えていただきましたが、まだその頃はどうしてそうやって歌わなければならないのかがわからないという状態でしたので、そういう状態で身につくことはほとんどありませんでした。

その頃から考えれば、勉強しなければならないこと、自分が何ができないのかがわかるだけでも進歩はしたのかもしれません。

今回8月の終わりのコンサートはマーラープログラムにすることにしましたので、7月の曲と並行して練習することになります。

 

〜実は8月のコンサートは今まで計画していたものとは違った形になりそうですが〜

 

どんな形にしろ、せっかく大先生の感性をマンツーマンで教えていただいたのですから、この歌を演奏する場はしっかり持ちたいと思っています。

フレーズの終わりの言葉の語尾変化について、「これは方言だと思うよ。シュトゥットガルトではこの言葉の終わりはこういう形にはならないよ」

とか、フレーズごとの意味も、日本語の訳詞から受けるイメージとかなり違った解釈で教えてくださいました。頭の中にその時の映像が浮かぶようにお話ししてくださったのでした。

「そういう情景が浮かぶように歌って  」とのことでしたが、印象深いご指導でした。

 

大先生は、世界的に有名なメゾソプラノのドイツ人の歌手が歌った録音を聴いて、この方の歌からは何の感慨も受け取ることができなかった。サラサラっと歌ってしまっていたことが信じられなかったとのこと……

「これだけの内容、これだけの映像が見えていればそんな歌い方はできないと思うよ……」

とのこと。

実は私も先日、日本人の有名歌手の方のこの歌の演奏を聴いて、何の感慨も受け取ることができなかったのです。あっさりと、さらっと歌われてしまって肩透かしを食ったように感じたのです。

やっぱり、表面的なイメージで歌うことができない歌なのです、きっと。

しかもそれはドイツ人であっても、世界的な歌手であっても全て見えるものではないのですね。

今回のレッスンでは、そういったことを強く感じることができた、内容の深いものがありました。

こういったレッスンを少しでも多くしていただけるように、こちらが真摯に取り組んでいくことなのですね。

心に残るレッスンでした。