オッカ・フォン・デア・ダメラウ ( メゾソプラノ ) & ソフィー・レノー (ピアノ )
4月15日 (月 ) 東京文化会館小ホール 19:00〜
この方の歌は初めてお聴きするのだと思います。
春祭では、このダメラウンさんは4月13日のブルックナーの《ミサ曲第3番》でソリストの1人としてお歌いになったようです。
私はこの日は、ヤノフスキさんのN 響の定期演奏会に参りましたので、聴くことはできませんでした。
どちらかといえば、今回のコンサートは歌われる曲目に惹かれていったという感じでしょうか。
【プログラム】
ブラームス : わが恋は緑
調べのように私を通り抜ける
永遠の愛について
失望
ベルク : わたしの両眼を閉じてください
《4つの歌》
眠ること、眠ること、ただ眠ること
眠っている私を運ぶ
今私は一番遠い巨人を倒した
森の日差し
マーラー : 《リュッケルトの詩による5つの歌曲》
私の歌を覗き見しないで
私は仄かな香りを吸い込んだ
美しさゆえに愛するのなら
私はこの世に捨てられて
真夜中に
〜休憩〜
マーラー : 《若き日の歌》
思い出
別離
ワーグナー =リスト : イゾルデの愛と死
ワーグナー : 《ヴェーゼンドンク歌曲集》
第1曲 天使
第2曲 止まれ
第3曲 温室にて
第4曲 悩み
第5曲 夢
というわけで、私が今歌ってみたい曲、ブラームスとマーラーの歌曲が並んでいてこれは聴いてみたいと思ったプログラムだったのでした。
プログラムの最後にある、ワグナーの《ヴェーゼンドンクの歌》は、実は自分には向いていないと思うことも原因だと思うのですが、何度聴いてもするっと心から抜け出してしまうのです。
かろうじて〈温室にて〉だけはこの中では印象に残っているのですが、この曲集全体としては、するするっと抜けていってしまうのです。
結構何度も聴いてはそう思うのです……
このダメラウさんの歌を今回初めて聴いたのですが、健康的な発声法で、無理なく自分の声を生かして歌っていらっしゃることが伝わってまいりました。
なにしろ不自然ではないのです。深々とした息が、喉を詰めたりせずに自然にのびのびと広がっていくのです。
その自然さが一番なのかもしれません。
あまり歌うテクニックのことを考えずに、久しぶりにその歌の持ち味について聴いていたように思います。
アンコール曲も2曲マーラーでした。
この方はもしかするとマーラーがお得意で、しかもお好きなのかもしれません。
今回のプログラムの中で一番私にぴったりときたのはマーラーの曲だったように思います。だいぶ以前、大先生に習い始めてあまり経っていない時に、今練習している歌を練習したのですが、その時がマーラーの曲を歌った初めての時で、全く歯がたたず、何から手をつけて良いのか皆目見当がつかないうちに、別な曲に練習曲が変更になってしまいました。
今、ハイドンの歌曲を歌いながらマーラーの曲にも取り組んでいるのですが、初めての時よりは少しづつ何を勉強すれば良いのかがわかってきつつあるというところでしょうか。
このコンサート向かう前に歌の練習をしたのですが、このコンサートの最後に、私が練習の最後に歌ってきた〈誰がこの歌を作ったのか〉をアンコールに歌われました。
なんだか運命的なものを感じた一瞬でした。
このコンサートの2部のワーグナーの曲に移る前にソフィー・レノーさんが、ピアノで〈イゾルデの愛の死〉を弾かれたのですが、これは素敵でした。
ワーグナーの世界がここで広がっていったのですから………