大先生が主催している《マタイ受難曲》の合唱でご一緒している方が、所属していらっしゃる合唱団の設立20年目のコンサートでした。
家から距離的に近い教会でのコンサートでした。
この駅は懐かしい駅でしたが、近頃降りたこともなく駅自体変わってしまっていて、ちょっと戸惑いました。
お客様もある程度の年齢の方が、グループでいらっしゃっているのです。
女性の数がかなり多く、きっと他の合唱団に所属していらっしゃる方が多いのではないかなと思われました。
第1部 J. S. バッハ モテット「イエス、私の喜び」 BWV227
第2部 W. A. モーツァルト ミサ・ソレムニス KV 337
第3部 G. フォーレ レクイエム Op.48 (1900年版)
2024年 3月23日(土) 14:00開演 清水ヶ丘教会礼拝堂
指揮 安藤常光 高澤孝一
独唱 ソプラノ 横山美奈 アルト 古澤真紀子 テノール 阿部祐介 バリトン 黒田祐貴
ピアノ 荻原萌子 オルガン 丸山里奈子 合唱 ハルモニーコール
実はこの独唱者の中で、お2人今までお聴きしたことがある方がいらっしゃって、その方が宗教曲をお歌いになったらどんな感じであろうということと、またそれを普通のコンサートホールでなく、教会の中でお聴きしたらどんな感じに聴こえるのだろうか という興味があったことは確かです。
横山さんは、新国立劇場のホワイエでの「西洋音楽史」のお話の際に様々な歌を聴かせていただいておりました。バロックや、近現代までのお歌を聴かせていただきました。
黒田さんは東京音楽コンクールの2次予選、本選と聴かせていただいたことが初めてでした。現在リートに取り組んでいらっしゃるとのことが、経歴の欄に書いてありました。
2次予選の時には、皆さんオペラアリアで臨まれていた中で 中田喜直作曲の〈木兎〉を歌われました。そして本選ではコルンゴルドの《死の都》より〈ピエロの歌〉を歌われ、印象に残っております。皆さん本選会場は東京文化会館大ホールでオーケストラ伴奏ですので、かなり大きなアリアを歌われたのですが、決してボリュームでおすことなく、自分の特徴をより活かしていく方向で丁寧にお歌いになっていたことが記憶に鮮明に残っているのです。
その後、第九の独唱などをお聴きしたように思います。
もしかすると、こういった宗教曲を教会という場で聴いてみたいということと、このお2人のソロを聴いてみたいと思ったのだと思います。
今自分が《マタイ受難曲》に取り組んでいることもあると思います。
教会といってもヨーロッパの教会のように石造りではないので声の響き方が違いますが。
天井が高く、コンサートホールの響きとはやはり違っていますが、響きすぎるということはありません。大先生曰く、オペラの歌手と宗教曲を歌う歌手はドイツではそれぞれ区別されていて、そのどちらも歌うことができる歌手は、世界に何人もいない一流の歌手だけだとのこと。ドイツではその宗教曲の歌手の中でも等級がなされているのだそうです。
残響が多い教会で歌われる宗教曲は、ボリュームがあまり無くても歌うことができるとのこと。
そういった興味もありましたので伺いました。
この合唱団はやはり高齢の方が多いので、高音の部分やボリュームの点ではどうかなと思われる点がありましたが、丁寧に演奏され、フォーレのレクイエムは40分の間に一度しか座らないという形で演奏されておりました。(これは凄いことです……立ったままでいることはかなり大変なのだということは実際やってみるとよくわかるのです)
モーツァルトとフォーレは曲自体の持つ面白さが心惹かれるところがあり、ソロも入ってきますので、納得させられるものがありました。
バッハは、よく大先生もメトロノームのように同じテンポでサクサク歌っていても、内容が少しも感じられない。内容によって歌い方を動かすので自分の指揮をよくみてほしいとおっしゃいますが、それがとてもよくわかりました。
特に、バッハの曲の後にモーツァルトの曲を聴きますとバッハの曲の演奏の難しさがよくわかりました。
こういう地元に根ざした合唱のあり方も素敵だと思いました。