昨日のブログにも書いたように、土曜日のマチネコンサートに青葉台まで出かけました。

午前中に、オペラ講座に町田まで出かけましたので、長津田で田園都市線に乗り換えてまいりました。

この日は不思議なことに色々な電車に乗り変えていくことになりました。

お天気も良くて、何か横浜線沿線の雰囲気も何かのどかな感じでした。

 

このコンサートには何か心惹かれるものを感じてチケットを購入させていただいたのです。

毎月第3土曜日はオペラ講座の日なのですが、午前中の時間帯なので、マチネのコンサートでもそう遠くなければ行くことができるのです。

この日もそんなつもりで購入したのだと思います。

コンサートは気持ちをゆったり持つことで、得るものも多いように思います。

 

開場の時間までに、この会場の今年の予定のお知らせの紙を見ていましたら、あっと驚く人の名前が………。

今年の前期、4月から9月まで、後期、10月から3月までの予定がうらおもてに印刷されておりました。

何気なく見ていましたら、小さい写真入りで演奏される月の順番に印刷されている、「12月」に、なんと知っている方のお名前が。

 

以前このブログにも書いたと思うのですが、昔勤め先で仲良くなったウェールズ出身の方がいたのです。まあ、国籍はU.K. ですが、私たち日本人がイギリスと呼んでいる国の方。

まず、イギリス =イングランドと、ウェールズの違いについてこの方に教えていただきました。

ウェールズ語と英語も違うのだということ、自動車道路の標識も、ウェールズでは英語とウェールズ語で書かれていて、ウェールズの方は、あの赤いドラゴンが書いてあるウェールズの旗を誇りに思っているのだということから教えていただきました。

背も同じくらいで、そういったことも影響してか、とても仲良くなることができたのです。

とても細やかな気遣いができる方で、周りの方々にもとても好感を持たれていました。

しかし、実はとても周りに気を使って精神的にも身体的にも不安定な部分を抱えていらっしゃったのではないかと思います。

そういうことにあまり気がつかない私のようなものに時々、本音がぽろっと出てくることがありました。そういう時に何も言えなくなってしまって、そういったことをただ聞いてあげることしかできませんでした。

 

フランスで出会った日本人の方と結婚して、日本へ。

最初は三重県の方にお住まいになって、その方の転勤に伴って横浜の方へいらっしゃって、私とも知り合うことになるのです。

 

そして、お子さまをこちらで授かることになったのです。

彼女の喜びは本当に大きかったようで、お腹の中にいる赤ちゃんの写真をよく見せてもらいました。その後、三重に家を建てて、住むようになったのです。

そちらへも一度お邪魔しました。

 

実はその時の赤ちゃんが、今ではテノール歌手として活躍されるようになったのです。

その息子さんのお名前を、そのフィリアホールのコンサート予定の中に発見したのです。

ウィーンの国立歌劇場の歌手として歌われていることを噂には聞いておりました。

一度、元気なうちに彼のオペラの舞台を拝見したいものだと思っていたのですが、近頃の私は、旅行にもとんと縁遠くなってしまい、なかば諦めていたのですが、なんと今年の12月7日に、こちらのホールで歌われることになったようなのです。

 

お母様が生きていたら、どんなに喜んだことでしょう。

彼女の代わりに、彼のステージをしっかり聴きたいと思いました。

彼がまだ中学生ぐらいの時に、私と娘がウェールズの彼女の家に遊びに行って、最後の日の夜のことでした。彼が小学校一年生まで日本にいて、学校で使っていた歌集があるのを本棚に見つけました。夕食後、彼と、私の娘と、私でその歌集をかたっぱしから歌っていったのです。楽しいひと時でした。

その彼がオペラ歌手になるとは……

彼の名前は 尼子広志と言います。