オペラ宅配シリーズ  番外編

Non SoLo Opera !       替え曲  大作戦! 

〜ひとつの歌詞から生み出される色とりどりの楽曲〜

 

2024  2月25日(日) 14:00開演   ヨコスカ・ベイサイド・ポケット

 

田中絵里香(ソプラノ)   秋本悠希(メゾソプラノ)   朴令鈴(ピアノ)   彌勒忠史(ナビゲーター)

 

京浜急行線の 汐入 駅前にある横須賀芸術劇場の小ホールのベイサイドポケットへ日曜日の午後行きました。

お天気が良いとちょっとした遠足気分になれるのですが、昨日は冷たい雨でしかも風も吹いておりました。こういう天気の時に来るとちょっと寂しい感じがいたします。

(今日は良いお天気ですね……)

 

この駅まで来る途中に安針塚という駅があるのですが、いつもこの線で通るたびに、遠い昔、遠い異国の地に暮らし、この世を去った三浦按針のことを考えるのです。

遠い異国の地で亡くなりましたが、こんなに年数が経っても地名として名を残すことができたのですから、充実した良い人生だったのかもしれないなあと思ったりもするのです。

この三浦半島の山や谷の地形に柑橘類の木があったりして、汐入までの窓からの景色はいつも見ているようにしています。海の方に近づいていく独特の雰囲気があるのです。

いつもコンサートへ行く方向と反対へ行く電車に乗るところから、気持ちが少し違ってくるのです。

 

とまあ、こちらで行われているオペラ宅配シリーズに行ってまいりました。

今回は詩が同じで曲が変わっているもの、替え曲というものに焦点をあてたコンサートでした。1部は、同じ詩に色々な作曲家が曲をつけたもの。

2部は、同じ詩にロッシーニ自身が違う曲をつけたもの。

同じ詩であっても曲が違うと、全く違って聴こえるということがテーマのように思います。

当たり前といえば当たり前なのですが。

それに焦点を当て、研究されたの内容をわかりやすく、実際の演奏を聴きながら楽しむという形のコンサートでした。

1部では、同じ詩に様々な作曲家が曲をつけていて、その中から数曲を選んで歌われたのですが、選曲もそれらを吟味して、差が感じられるように考えられていたことが良くわかりました。

「同じ詩であっても、ヘンデルの曲ではこういう風に聴こえますし、ウェーバーの曲ではこういう風に聴こえますね」という説明があって、初めて「なるほど」と思えるわけです。

その並べられた3曲の中では、自分でも歌ったことがあるロッシーニの La Promessa (約束) が一番有名な曲なので、知っているのはこの曲だけなのです。

 

以前、自分でも日本歌曲で、 同名異曲 というテーマでコンサートをしたことがあるのですが、なかなか難しいなと思いました。

日本語で詩の内容が聴き取れるものでさえ、なかなかその違いを聴きとり、並べて歌っただけで興味深いと感じとれるものではないな と実感していたからです。

 

ましてや、イタリア語の詩ですから………

しかしそれはナビゲーターの彌勒さんのお話で補っていただけていたので、そういった視点の興味で聴き取っていければ良いのだなあと思いました。

やはり演奏だけではちょっと難しかったかもしれません。

 

第2部は 同じ詩で 同じ作曲家ロッシーニが作り分けた5曲を続けて聴くことができたので、これはとても興味深かったです。これも自分が勉強した I l rimprovero (とがめだて) との違いが耳で実感でき 興味深かったです。メタスタジオの同じ詩が、子守唄にもなっているのには驚きでした。

もしかしたら 彌勒さんはこちらの2部の方をお客様に聴いていただきたかったのかな などと感じましたが……

 

またこういう 歌曲 を並べて2人の歌手で聴くことは私自身は勉強になる部分がありました。

今自分が勉強したいと思っていることを、どういう風にされているかが良く聴こえてくるコンサートでもありました。

オペラのアリアなどでしたら歌自身に惑わされてしまう部分も、結構細かいところまでしっかりと聴きとることができたからでしょうか………