2024年 2月21日 18:00
めぐろパーシモンホール
タミーノ : イルカー・アルカユーレック
パミーナ : 森麻季
ザラストロ : 平野和
夜の女王 : モルガーヌ・ヘイズ
パパゲーノ : 大西宇宙
パパゲーナ : 森野美咲
モノスタートス : 新堂由暁
侍女 1 : 松井亜希
侍女 Ⅱ : 小泉詠子
侍女Ⅲ : 坂上賀奈子
管弦楽&合唱
バッハ・コレギウム・ジャパン
指揮 : 鈴木優人 演出 : 飯塚励生 美術 : 千住 博 衣裳 : 高橋悠介 映像 : ムーチョ村松
振付・ダンサー : 渡辺レイ
モーツアルト時代に近い音色のオーケストラ。ピリオド楽器の音色で聴くオペラ。
それに、千住さんの日本人の感覚の部分が感じられるであろう美術。(確か《夕鶴》の舞台美術で美しい色合いのものを拝見したことがあったと思います。)
その上に、これからという若い方も多く起用されているオペラでしたので、かなり迷った末にこちらのチケットを求めたのです。
うーん。やはりいろいろ感じる部分はありました。
最初の音が出た時、その今まで慣れていた音との違いにはっとしました。
ピリオド楽器の音、特に金管楽器の音の響きがあまり美しくはないように感じてしまいました。
鄙びた音といえばそうなのですが、このオペラを今まで聴いていた時の音とやはり違っているのです。
奏法がとても難しいのだと思いますが、自分が慣れている感触との違いはどうしても気になるところです。
それに、冒頭のタミーノ王子が、怪物に追いかけられる場面が、暴風雨に遭遇していることになっているのです。「あれ?」
それにこの場面で一番気になったのは、送風機の音でした。「ブーン」という音が盛大にして薄い幕を揺らし、映像がそれに重なって嵐の場面が作られているのです。
映像だけ見ていれば、立派に暴風雨の場面なのですが、その「暴風雨をやっつけた?」とは、どういうことなのかよくわからないのです。
そもそも、タミーノ王子が襲われたのは暴風雨だったの?
すみません、気がついたことをあげてしまいます。
それにタミーノ王子も、王子に見えないし、声もタミーノっぽくないのです。
おじさん風の見かけと声なのです。そもそも若々しい声に聴こえないのです。
パパゲーノ パパゲーナ組はなかなか熱演だったのですが、パパゲーノは ウーバー イーツではなく、ツァウバー イーツのリュックを背負って出てきて変なところが現代風な身なりなので、ちょっとメルヘンには見えないのです。
その中で始まる前に、本日は本調子ではないけれども、本人の希望で「夜の女王」を歌います という放送が流れ、心配したモルガーヌ・ヘイズさんが一番聴きごたえがあったように思いました。(帰り道でどなたかが言っていました、本調子でなくてあれだけ歌えるのだから、本調子だったらどんな歌を歌うのかしら………って)
それこそ、いらぬ部分を力で押さず、美しい息の流れで歌われました。
小柄な方ですが、美しい響きを持ったお声でかなりの存在感でした。
しかし今回の演出では、夜の暗い世界の住人たちは滅ぼされたのではなく、最後には心を入れ替えて、皆さんで並んでこのオペラを終えるという感じでした。
うーん、全体的な印象ですが、美術や演出も今の時代に合わせて、あまり差別意識が前面に出ないように、無難によくまとまっていたけれども、さらっと流れていったような感じでした。
全体的にテンポが早かったような印象を持ちました。
ピリオド楽器の音色が、現代の楽器に比べてあまり響きが長く続かないのせいもあるのでしょうか。そのせいもあるのでしょうか……
こじんまりとまとまっていたような印象を持ってしまいました。
舞台も時々ハッとする美しさはあるのですが、作品の流れとあまりそぐわないような気もしてしまうのです。
すみません、勝手なことを書いてしまいました。
まだ初日が終わったばかりなのに………