第24回 瑞穂の会    監修  塚田佳男

2024年  2月16日(金)  午後6時開演     紀尾井ホール

 

毎夏、塚田佳男先生による、日本歌曲公開レッスンがあるのですが、そこで受講した受講生のコンサートですので、そのペアの伴奏と歌の組み合わせに集中して聴くことができました。

組み合わせに焦点を当てて聴き取ると普通聴き逃してしまうことに気がつきます。

 

こうやって聴き取ると、歌と伴奏の組み合わせについて考えることができます。

ペアーを組んで曲に取り組んでいくわけで、その研修の場を昨年の夏一日聴講にいきました。

まず、一回歌ってから、歌の方に詩を朗読させるのです。その朗読の中で、ここはどういう意味で歌っているのか、こういうメロディーがついているのはなぜかという検討が始まるわけです。

そういった検討を経て行われたコンサートでしたので、かなり興味深く聴くことができました。

 

ピアノの第一音から、なるほどと思わせる音が出てくるくみもあれば、少しこの歌には重すぎる音色かな……と感じさせるものもあるのです。

その曲の持っている持ち味が最大限生かされていると思える演奏と、違和感を覚えるものとあるのです。

しかし、この講座の指導の先生の特徴はやはりよく表れておりました。

それぞれの技術の差こそあれ、全体を統一しているものを感じることができました。

 

実は今回出演された方の中でお2人知っている方がいらっしゃいました。

お1人は、夏のピアノ研究会でご一緒している方。

もうお1人は、以前福光での一週間にわたる歌の講習会でご一緒したご縁で、初めて開いた私のリサイタルで伴奏を弾いていただいた方でした。

ピアノの技量も優れていた方なのですが、お人柄も素晴らしい方なのです。

今回、その技術がかなりグレードアップされていることが聴きとれる演奏でした。

歌に沿って、しかもその歌曲の世界をその音で充分表現されていることがわかりました。

改めてその方の技術力の高さに気づくことができました。

 

紀尾井ホールは歌曲のコンサートを聴くには少し大きいホールかなと思いますが良い音響のホールだと思います。

……「主に日本歌曲の講座」で教えて頂いている先生もうらっしゃっていました。

しかし平日の夜で、12組の演奏者が出演なさるコンサートなので、かなりなボリュームで、大先生のレッスンの後に行きましたので、やはり少々それだけのボリュームの歌を聴きとる体力が不足しておりましたので、最後までお聴きすることができませんでした。

やはりコンサートも体力が必要なのです。

 

昨日は私もヘンデルの歌曲をレッスンしていただきましたので、この一回で教えていただけることを最大限受けとりたいと思っておりましたので、ちょっと疲れてしまったのかもしれません。

コンサートを聴いて受け取るものが多い少ないは、聴くもののコンディションにかかっていることが多いのです。

そんなことを改めて感じた次第です。