駅から近い地域のセンターの中にある練習室を借りて、2時間ぴったりまずは伴奏合わせを主にお弟子先生に聴いていただきました。

こちらは定員20名という大きさなので、いつもより離れて聴いていただけましたし、歌う方も自分の声がどれだけ自分から離れて行くのかいつもよりはわかるので良い経験でした。

通しで歌った後、今回はどちらかといえば、暗譜がしっかりとしていない部分、微妙に伸びたり縮んだりして本来のリズムと違ってきている部の歌い方について、細かいところまでしっかりとご指摘がありました。

どちらかといえば、この曲は言葉が主役のようなレチタティーヴォのような歌なので、言葉の持っているリズム感や言葉の内容に引っ張られて、本来楽譜に表示されている音符のリズムと違ってきてしまっているところが何箇所かあり、それをもう一度丁寧に直して歌うことを指摘されました。

もうそのリズムで何度も歌って覚えてしまっているので、直すのはなかなか大変なのです。

それを気にすると他を間違ってしまったりするのです。

何回もできるまで直されました。

本番を目の前にして、もうすこし細かいところまで見直しなさいということなのだと思いますが………

やっぱりまだいろいろ、手を入れていかなければならないのですが、これがまたあまり細かいことばかりに気持ちが行ってしまうと、全体の流れのようなものが、見えなくなってしまう所が出てくるので要注意なのです。

しかし、もう一度楽譜に立ち返って、どうしてこのリズムがこういう場所で使われているのかの意味を見直しなさいということなのだと思います。

 

2人ともしっかりと1時間づつレッスンをしていただきました。(もともとこちらの場所は2重唱の練習をしようと思って借りた場所だったのです。

場所が時間で区切られているところであるのと伴奏者にも来ていただいているということで、みっちりとしっかりとレッスンしていただけました。内容の濃いレッスンでした。

お弟子先生はその後、すぐに今度は自分の歌う曲のピアノ伴奏の合わせをなさる予定なのだそうです。

分刻みのスケジュールですが、私たちが自分たちだけで合わせるのは、心もとないと思われたのだと思います。

お弟子先生としては、自分がどう歌えるかということもありますが、自分が教えている歌い手が他と比べてちゃんとした演奏をしてほしいという気持ちが強いのだと思います。

他の方に比べて、大先生ともう1人のお弟子先生の耳の元に育てられているのですから、これだけ違うのだということを歌うことで示してほしいのだと思うのです。

ここには微妙な力関係が存在しているわけです。

お弟子先生は唯一大先生が認めていらっしゃる方で、私などが大先生に教えていただく条件として、お弟子先生に勉強を助けてもらうことがありました。

月に一度の大先生レッスンだけでは、それまでのメソッドと全然違っている大先生の歌い方が身についていかないだろうと思われたのだと思うのです。

そしてそれは全くその通りでした。

最初の頃は本当にちんぷんかんぷんで、お弟子先生のおっしゃることも、レッスンの形も、今までとあまりにも違いすぎて、何をどうすれば良いのかちっともわからなかったのです。

その時やはりお弟子先生に週1の割合でレッスンしていただけたので、ほんの少しずつの歩みでしたが前に進むことができたのだと思います。

大先生のレッスンは月に一回なので、きっとそれだけでは、未だチンプンカンプンのままだったと思います。

コロナ禍で、大先生が東京にいらっしゃれなくなりましたが。その間もお弟子先生のところで、レッスンを続けさせていただけました。

コンサートも、歌う機会もないその時に、ゆっくりと自分を見直す機会をいただけたように思います。

私の演奏であると同時に、お弟子先生のレッスンの成果でもあるのですから、もう一度丁寧にさらい直して明後日の大先生レッスンに備えたいと思います。