昨日は月に一回のオペラ講座の日でした。

今回のテーマは、「今年アニヴァーサリーの歌手たち」とのこと。

先日作曲家の部を聴く機会がありましたが、今回は歌手の部でした。

もちろん今年生誕100年を迎える マリア・カラス は色々他にも雑誌などでも扱われていて必ず出てまいりますが、他にも色々記念すべき年の方はいらっしゃるように思います。

そしてここでとりあげる歌手の方をどういう基準で選んだかという、講師の先生のお話が最初にありました。

「大歌手」と「名歌手」との違いのようです。

「大歌手」として名前が挙げられる方と「名歌手」として名前が挙げられる方とは判断基準が違っているとのこと。

〜今回名前が挙げられていた方は、どちらかといえば、「大歌手」に属する方のようでした。

今回取り上げられていた歌手の方は、5人。

今年もちろん生誕とか、没後とかのアニヴァーサリーの年として取り上げられていた方もいましたが、今年亡くなられ方も取り上げられていました。

 

今も名前を残されている方は皆さん「名歌手」でいらっしゃるのですが、その中でも歴史に残る役割をされている方が「大歌手」と呼ばれるにふさわしいとのこと。

 

生誕100年の歌手の方が3人。

 

チェーザレ・シエピ (1923  2 10〜2010  7 5 )       はイタリアミラノ生まれ

アメリカのテレビ番組に出演した時の映像が紹介されました。

バスの方ですが、無理のない滑らかな発声で歌われる方で、そのために個性的な役柄や独特な性格の役柄には合わないバスの方だったようですが。

 

……しかし無理のない発声というところで、声域は違いますが、ちょっと大先生のことを思い出しました。無理なく滑らかな発声をされて、弟子にもそういったことを着実に教えてくださっています。なんだかそんなことを思い出しました。そのおかげで、この年齢になってもまだまだ進化できているわけです。あのまま自己流のままでしたら、もうとっくに歌えなくなっていたように思います………

 

余談ですが、この番組の中でミュージカル風にアレンジされていた曲は、ミュージカルの曲ではなく、グリーグの〈ノルウェー舞曲第2番〉でした。なんだかウェスタンのようなアレンジをされていましたが、鑑賞曲として教科書に載っている曲で、「曲の変化を聴き取る」という主題で扱っていた曲でした。直ぐに思い出せませんでしたが………

 

ヴィクトリア・ロスアンヘレス (1923  11  1〜2005  1  15) も生誕 100年なのですね。

黒髪で 見た目から言っても 《蝶々夫人》が評価されていたということは分かりましたが、バイロイト音楽祭にも《タンホイザー》のエリーザベト役で歌っていたということはちょっとびっくりしました。1961年の録音を聴かせていただきました。

 

びっくりしたといえば、あのマリア・カラス(1923 12  2〜  1977  9  16  )が歌った1965年のマスネの《マノン》のアリアのスタジオ録音は今まで聴いたことがなかったように思いますが、普通のカラスの歌い方というものと違っていたように思います。彼女の強い声で、圧倒するような歌い方ではなく、細かく神経が行き届いた弱音を活かした歌い方のように思いました。

常々、「フォルテの音は、ピアニッシモの召使いである」と言っている大先生の言葉がなぜかひょっこり出てきました。

彼女の偉大さをまた改めて感じることができました。

こういう歌を、こういう風に歌い、それを映像で残すことができたことは、素晴らしいと思いました。様々な歌唱テクニックを持っていたという証ですから………

 

この後、今年亡くなったグレイス・バンブリー、レナータ・スコットのお2人の映像も拝見しました。

それぞれの方のそれぞれの側面を拝見、拝聴することができて良かったです。

そのどれもが、貴重な時間でした。