このシリーズのシーズン券を購入したのは2サイクルめです。
様々なコンチェルトがあり、またそのソリストがなかなか人気があるソリストなので、いつもこのシリーズは満員御礼の盛況です。本日はギタリストとして有名な村治香織さんでした。
別にギターが特に好きなわけではありませんが、、締めはあの有名なアランフェス協奏曲です。有名な割には実際に今まで聴いたことがあるのは一回くらいじゃなかったかな?
と思いますし、実際にギターの音色とオーケストラがどういう風に溶け合って聴こえるのかという興味もあり、なかなか機会を逃すとそうそう聴くことができないのですから………
実はこの日、もう1つ行きたいコンサートがありました。
そちらのコンサートは、1部から3部まであり、全部聴くとかなりの時間のコンサートだったのです。
かなり迷いました。
自分が今取り組んでいるリートの流れを扱ったコンサートだったので、かなり勉強になると思っっていたのです。
しかし、実はまだ頚椎から来ている痛みも良くなっているわけではないのです。一昨日第九のコンサートを聴いたからでしょうか、ちょっと背中も痛みます。
それに一昨日から右膝がかなり痛み、ゆっくりだましだまし歩いているような感じだったのです。
体力的に今回の身体の状態では、無理だろうなと先週あたりに判断しておりました。
それにこの日は昼過ぎから夜まで、以前の勤め先の方のお家で、夏の終わりの集まりがあったのです。
この集まりが開かれるのも、3年ぶりでしょうか。
皆様のお顔を拝見したいなあという気持ちもありましたので、遅れても参加したいと思っていました。
そういった事情もあり、当初の予定通りコンチェルトシリーズへ伺うことにしました。
何の曲が演奏されるかということは〈アランフェス協奏曲〉以外頭にはありませんでした。
このコンサートのタイトルは〈四季&アランフェス〉だったのですが、この〈四季〉があのビヴァルディの〈四季〉だという意識はちっともなく、プログラムを開いて初めて知りました。
ステージの真ん中にチェンバロが置かれていて、その隣に演奏台が置かれ、マイクのしつらえがありました。それでもまさかあのビヴァルディの〈四季〉にギターが入って演奏するのだとは思いませんでした。
でもそれが「ディエゴ・カンタルビ」さんという方が編曲された楽譜で演奏されたわけです。
いつもと印象の変わった〈四季〉でした。この編曲をされた方はイタリアのリュート奏者とのことでした。リュートとギターは弦楽器族の仲間といえば仲間ですが、普通聴き慣れたヴァイオリンの独奏部分をギターで演奏するわけですから、これは大変なことですし、イメージもかなり違ってきます。
艶やかなヴァイオリンの音色と比べると、音量も弱いですし、レガートの部分は細かい音のパッセージとなるわけです。
最初はそれにかなり耳が戸惑い、音量の差や、同じ爪弾きの音がするチェンバロの音との関係などに、ちょっと違和感を覚えましたが、そのうち、あのよく知っているメロディーがどういう風にギターで演奏されるのかという興味に変わってまいりました。
もしもこの曲が初めから、ギターやリュートで演奏される形であったらそういうものだと受け入れていたかもしれません。
休憩後の最初は、レスピーギの〈リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲〉でこれはギターも入らず、当初に作曲されたように弦楽合奏の形で演奏されました。
2部の始まりに指揮者の鈴木優人さんがステージに入っていらっしゃった時、はっと思いました。赤いワイシャツに赤いポケットチーフ。後半のアランフェスのイメージでしょうか。
2部の後半が、いよいよロドリーゴの〈アランフェス協奏曲〉で、村治さんは白地に様々な花だと思うのですが、美しく散りばめられたカラフルで美しいドレスでした。
指揮者と、気持ちが踊るドレスのギタリストの二人が並ぶと、より今回の演奏への期待感が高まりましたし、あの有名な2楽章はイスラムの香りが濃厚で、どちらかといえば「アランフェス」というより「アルハンブラ」という感じが濃厚に漂っていました。
楽しい演奏会でした。
村治さんはデビュー30周年とのこと。満員のお客様も皆さんお祝いなさっているように思えるコンサートでした。