9月が近づいてきて密かに焦っています。

9月の12日から、いよいよ〈マタイ受難曲〉の練習が始まります。

こういうものは始まってしまうと、もうあれよあれよという間に時は過ぎてしまうものです。

(4月に発表することは決まっているのです。)

 

先日新しい「ぶらあぼ」をみましたら団員募集のお知らせが載っておりました。

団員募集のチラシを私も色々なところに配布いたしました。

 

合唱団に入っていらっしゃる方や、興味があるのではないかと思われる方に配りましたので、私がへこたれるわけには参りません。

 

楽譜も手持ちのものはペータース版なのですが、この前ウェーベルンの楽譜を買いに行った時にベーレーンライター版も求めておきました。

このどちらかなら良いとのことですが、先日練習伴奏を弾いていただく方と番号をつき合わせましたら、版によって番号が違っていることに気がつきました。

一応歌いやすい、見やすい方の楽譜を使おうと思っています。

楽譜って同じようでいて違うものなので………

 

この前から探しているのに、全曲盤のCDの一枚がどこかに紛れ込んでしまっていてまだ見つかりません。

そのままになっておりました。

ライプチッヒ ・ゲヴァントハウスの合唱団とオーケストラが来日した時に過去に録音したものを、購入したものだったのです。

気長に探しているときっとある日見つかるとは思うのですが。

イライラしても仕方がありません。

 

そこで別な音源も購入しようと思いました。

最初に全曲盤を聴いたのはカール・リヒターの指揮のものだったように思います。

 

さすが〈マタイ受難曲〉は数多くの種類のCDがあり、販売されておりました。

その中からCDは2種類購入しました。

古楽器を使った演奏で、定評のあるクイケンのプティ ットバンド。

少々高かったのですが、これはセットになっていて、〈マタイ受難曲〉〈ヨハネ受難曲〉〈ロ短調ミサ曲〉〈クリスマスオラトリオ〉

という4つの曲がセットになって入っているのです。

どうも50周年の記念にだされたCDのようです。

ちょっと前、クイケンの指揮で、ソロの人たちが合唱部分も歌うという形の演奏を聴きました。

 

もう一種類は、クレンペラーの指揮で録音されたものです。フィルハーモニー管弦楽団、合唱団。

 

なんでこれを買ったか………

ソプラノソロに、エリーザベト・シュヴァルツコップ のお名前が載っていたからです。

(もうこれは一度聞いておかねばならないでしょう。

大先生の先生なのですから。つまり私にとっては大大先生なのですから……)

ソリストは、クリスタ・ルードヴィッヒ、フィッシャー'ディスカウ、ニコライ.ゲッダ などなど。

スター歌手がならんでいます。

 

そして、とうとう〈マタイ受難曲〉の映像も買ってしまいました。

カール・リヒター指揮のミュンヒェンの合唱団のものです。

 

まず私が今練習している、レチタティーヴォとアリアの部分を聴いてみました。

 

もう、レチタティーヴォの最初の部分を聴いてその違いについてかなりはっきりわかりました。

 

クレンペラーのテンポの遅さにかなりびっくりしました。この重さ、重厚な音の重なりが、まず、びっくりする演奏です。

クイケンの演奏は、スピーディーで、古楽器のヴァイオリンの音ののばしかたなどに、はっと思える違いを感じました、

 

本当に全く違った演奏でした。時間で比べてみるとその顕著な違いがよくわかります。

 

クイケン指揮のレチタティーヴォ〈神よ、憐れみたまえ〉1:04                          

 クレンペラー指揮                                                               1  : 25

カールリヒター指揮                                                            1  :  02          

 

クイケン 指揮 のアリア〈私のほほの涙が 〉                       5:57

クレンペラー指揮                                                                 9:42    

 カールリヒター指揮                                                            7:52

 

全く違ったものに聴こえるものでした。

しかし聴いていると、どういったところに自分の個性を発揮するかがよく分かる演奏でした。伴奏楽器の使い方もかなり違って聴こえます。

 

それを見てみたいと思いましたので、カール・リヒターのDVDの後半部分を見ました。

伴奏楽器を弾きながら演奏する場面もあり、なかなか速さも重くならないように演奏されていました。

この曲をどう感じ、演奏する中で感じられる事は多いはずだと思います。

ちょっとこれからの楽しみが増えたように思います。

この演奏の速さについて書かれた本を読んでみました。

 

この部分の「イエスの鞭打ち」を暗示する生々しい付点のリズムの記述がありました。

そこにはバッハの自筆譜の写真も載っていました。

 

〜弦の上三声は、鞭打ちののリズムを全小節にわたって休みなく演奏し続ける。バロック奏法の慣習にならってそれを複付点のように強調すれば、鋭さの印象は一段と高められる。

アルトの語りは音域を大きく上下し、奇妙な音程の跳躍や頻繁な中断を織り込みつつ、言葉のはらむ強い情念を再現してゆく〜

 

磯山雅 著 「マタイ受難曲」より

 

この後のアリアに関して、この特徴的なリズムが舞曲風の3拍子になって内面化されていくので、この部分をゆっくり演奏しすぎるのは、効果的ではないと書かれていましたが、実際歌ってみてもそのように感じます。

 

月曜日はなんだか〈マタイ受難曲〉で1日が終わってしまったようです。