昨日、実家の隣にある植物園との境のフェンス脇に咲いている「緋桜」があまり綺麗なのでそばに寄ってフェンス越しに見ていました。

先日行った時よりもいろんなさくらの種類の花が咲き始めていました。

しばらく眺めていましたら、頭の上から力強いさえずりが聞こえてきました。

しかも様々な声で様々な強弱で、様々な表情で歌うのです。

人で言えばドラマチックソプラノとでも言いましょうか、その鳥は鳴きながら、ぴょんぴょんとだんだん木の上の方へ上っていきます。

あまり鮮やかな鳴き声ですのでしばらくその声を聞いておりました。

娘がスマホで写真を撮って、しばらくその鳴き声ごと動画も撮っておりました。

 

その動画の鳴き声と、写真の姿を大きくして調べてみましたところ、画眉鳥という名の鳥だということがわかりました。「ガビチョウ」と読みます。

元々日本にいた鳥ではなく、ペットとして飼われていたものが、逃げ出したり放鳥されたりして野生化したもののようで、特定外来生物なのだそうです。

スズメ目 チメドリ科 全長24センチ 

全体に黄褐色でめのまわりとその後方は白い。尾羽はやや黒い。嘴は黄色。

中国南部に住んでいた鳥のようです。中国でペットとして飼われていて、その鳴き声を「鳴き合わせ」と言って競わせたりしていた鳥のようなのです。

 

あのプリマドンナのような貫禄は、鳴き声で競わせていたという話に頷けるものがあります。

下でずっと見ていても、恐れることもなく、堂々と歌い続けているのです。

それはもう、この鳥のリサイタルのようでした。あたりに堂々と響くその声に、「う〜ん負けたわ………」と思いました。本当にきっと鳥の中でも今が旬の季節なのだろうなと思いました。あまり歌声が長く続くので、途中で失礼したのですが、実家の窓を開けましたら、まだ声が聞こえました。スタミナも凄い……

 

しかし検索して調べてみましたら、一時期ペットとして飼われていたのだけれども、身体の色が地味で、(目の周りに白いアイシャドウのような模様はあるのですが……)餌もすり餌にしなければならず、その声が日本ではうるさいということで、その後に入ってきた洋鳥に人気が移り、ペットを扱う方が売れない鳥を放鳥したことが野生化の始まりではないかと言われているそうです。

 

あのプリマドンナの声も家で愛でるにはうるさすぎるとのことなのでしょうね。

今はペットとして飼育することは禁止されているとのこと。

日本の侵略的外来種ワースト100定種にもなっているそうなのです。

1970年代に大量に輸入されたようです。

関東地方では高尾山にたくさん生息しているそうですが。

ハワイにも今は生息しているそうなのですが、その原因はホノルルの中華街の火事だったとのこと。ペットで飼われていた鳥が逃げ出して、これも野生化したようです。

きっと生命力が強い鳥なのでしょうね。

この鳥は餌を取るときには、地面におりて歩いて虫や実などをついばむそうです。

結構スズメより大きな鳥、尾も長いのです。何しろ、声に特徴があります。

「どう、私の歌は素敵でしょう。私が1番うまいでしょう!」と言っているようにも聞こえるから不思議です。

 

「自由に、屈託もなく、堂々と、あれだけ歌えたら気持ちが良いだろうな……」

ちょっと羨ましかったです。

 

しかし植物園が閉園時刻になって誰もいなくなってからの時間でした。

誰もいなくなった気配に反応しているのでしょうかね……