来週に上演が迫った演目です。

近頃、2月に歌わなければならない予定と、そのためにレッスンしていただく予定になっている大先生レッスンのために、実際も心の持ちようもちょっと自粛しています。

お弟子先生レッスンや、身体のメンテナンスのためのリハビリは欠かせませんが、心が自粛モードに入っています。

特に先週、仕事が始まったばかりの時に、喉の酷使をしてしまいましたから、かなり今週は慎重にしています。

授業の時の範唱もかなり控えております。

月曜、火曜と歌の練習もしておりますが、月曜日は必要最小限にして、様子をみました。

火曜日の練習は日曜日のお弟子先生に指摘された箇所を重点的にみて、普通の練習の量にしてみました。水曜日は授業変更をして時間数を減らしました。

本当はいつ、音楽の授業に対する通達が出るかわからないので、ヒヤヒヤはしているのですが………

また昨年の9月のように、「歌ってはいけない。リコーダーを吹いてもいけない」ということになってしまうかもしれないのです。

その前に、早く授業を進めておきたいのは山々なのですが、自分の状態も使いすぎにならないギリギリの線なので、まあ「なるようにしかならない」という、ちょっと居直っている気持ちです。

 

というわけで、今自分の行動も自粛、我慢の時です。

そんなことを言いつつ、来週は、《さまよえるオランダ人》と《トロバトーレ》と続きます。

 

練習も自分のそんな状態を慎重に見ながら、まずは目の前に迫っている大先生レッスンに照準を当てて進めております。

 

そんな中、昨日郵便局に寄りましたら、郵便局の前に局長さんが立っていて、局員の中にコロナの陽性者が出てしまったので、保健所の指導により「今局内を消毒しているので、しばらくお待ちください」とのこと。

 

なんだか段々行動範囲が狭められているような気持ちになります。

 

というわけで、《さまよえるオランダ人》のDVDを購入して最初の部分だけ見て、ずっとそのままになっていたものを、この際全部見ておくことにしました。

 

この演目はワグナーの中では、そんなに長くないのと、他のものよりはわかりやすいメロディーなのでかなり聴いている方だと思います。

けっこう好きな演目と言えるでしょう。

 

でもまた改めて見てみますと、「ああこんなやりとりがこんなところにあるんだなあ」とか、「こんなことをここでは言っているのだ」とかいう箇所が出てきました。

 

そしてまたこの映像の演出が変わっているのです。

1985年のバイロイトでの演出のようです。

ダーラント        マッティ・サルミネン

ゼンタ              リーズベルト・バルズレフ

オランダ人        サイモン・エステス

エリック           ロベルト・シュンク

マリー              アニー・シュレム

舵取り              グレアム・クラーク

 

指揮                 ウォルデマール・ネルソン

演出                 ハリー・クプファー

 

救済されないオランダ人?

救済することができないゼンタ。

なんで死ななければならなかったのかわからない結末……

この終わり方もよくわかりませんでした。

全ては、ゼンタの妄想から波及したことのように置き換えられていて、エリックも普通の演出より、かなり関わりを持つ演出になっておりました。

 

このような演出で7夏 38回も演奏されていたとのこと。

 

さて来週の新国立劇場での演奏はどんな演出なのでしょうか……

楽しみであると同時に、このバイロイトのようなものであったらきっと「理不尽だと思うのだろうなぁ」と思いました。

オランダ人よりも、ダーラントよりも、主人公は圧倒的にゼンタなのです。

ダーラントや、オランダ人は、もう圧倒的な歌唱でしたが。