日曜日だったせいか、満席でした。

8月に購入したチケットを、本日受付窓口で受け取るために早めに行きました。

14:00開演だったのですが、12:00過ぎにはオペラパレスに着きました。

日曜日ですので、食事をしようと思い、何日か前に、レストランのマエストロのネットの予約欄を見てみましたら、なんとこの日だけ、予約終了のようです。

実は、以前オペラの観劇予定の時予約をしていた時に限って、私の季節の変わり目に出る腹痛で、前日かなり大変な思いをしました。

その時、キャンセルをしてからずっと行く機会がありませんでした。

今回は、そのようなキャンセルとかで急に空きができるということががないかと、淡い希望を抱いて何回かネット予約の欄を開けてみたのですが、この《白鳥の湖》の上演日を中心に予約でどんどん埋まっておりました。

 

馴染みのある演目でしかも、初日が土曜日、最終日も祝日ということで、チケットの売れ行きが良いのだなあと、こんなことからも想像できました。

 

受付窓口で前に並んでいた方は、当日のチケットを購入したいと思われていたようで、スーツにネクタイ姿できちんとしていらっしゃいましたが、「もうチケットはないのですね」と一言言われて、残念そうに帰って行きました。

 

バレエを定期的に見に行っているのでもなく、好きではあるのですが、見続ける、何回も畳み掛けるように重ねて見ているということではないので、やはりオペラやコンサートを聴きにい行くのとは気持ちが違っています。

受ける印象も違います。

 

今回は2回の正面席のはじの方という座席で、ステージ全体を眺められる場所でした。

先日のブログに書いたように、夕刊の芸術欄に今回の演出に関してのポイントが書いてあったので、やはりその言葉に沿って見ているのを感じました。

 

 

《白鳥の湖》は何回か見ていると思うのですが、何故か記憶にあまり残っているものがないのです。今まで印象に残っているものは、確か2人とも死なずにハッピーエンドになるものだったように思います。

こんな結末になるものに始めてお目にかかったので、「こんな結末もあるのだなあ」とそこに妙に感心してしまったということだけ頭に残っているのです。

 

今回はお2人は死んで結ばれる方の結末でした。

 

今回印象に残ったのは、オデットの小野絢子さんが最初に出てこられた時のなんとも言えない美しさ、優雅さが「美しいなあ」と思ったのです。何がどうだったかという理屈抜きにただただ美しかったのです。

私の頭の中には、この人と比べてとか、この公演に比べてというものはないので、その時に感じたそのままの思いです。

 

あとは普通12羽である白鳥がステージの大きさに合わせて24羽になっていて、その群舞が少し変更になったのだという新聞記事だったので、その白鳥たちがどうなっているのかちょっと気になっておりました。

なーるほど……

白鳥たちが踊る白い世界は、素敵でした。

最後に2羽で踊る白鳥と、4羽の白鳥も一緒に30羽になって踊る世界は大変だろうなと思いつつ、美しい世界でした。

この沢山の白鳥にもそれぞれの王子がいるのだというインタビューの記事が先の新聞にあり、それがどういうところで、どう表現されているのかが気になっていたのです。

 

これがそうなのかなと思ったのは、最後の幕でオデットが湖に身を投げ、王子がそれを追う時に白鳥の群舞が、ロットバルトに立ち向かっていくのです。

 

こんな演出は、今まで見たことがありませんでした。

王子とロットバルトがもみ合いになったり、バレエというよりはかなりリアルなドラマの演出のようにお見受け致しました。

 

第4幕の幕あきは、ちょっと驚きました。これも体験してみて初めて分かることでした

 

日曜日のせいかお子さまも結構いらっしゃいましたが、結構お行儀は良く観賞していました。

 

1つのお話絵巻を見るような演出でした。

確かにわかりやすい。

 

今回、音楽の方も割合しっかり聴くことができて、ああこんなところにシンバルがなっているんだ、とか、あの有名なテーマが、早めのテンポでサラサラと流れていくのを耳がしっかりと捉えることができました。

きっと座席がオーケストラピットから湧き上がってくる音楽を捉えることができやすい場所だったのでしょう。