実は、このところ新しいオペラの形を見聞きする形となり、「どういう方向に動いていくのかな」と思いを馳せました。
今オペラとして世の中で演奏されているものでも、見聴きしていないものがまだまだたくさんあるのだという方向に気持ちが向いてまいりました。
だいたい今私がもっている映像でも一度も目を通していないものが、あるのですから。
いったん見だすとなかなか途中でやめられなくなってしまって、3時間ぐらい平気でかかったりするので、何もできなくなってしまうので、未だ目を通していないものがあるという状態になっているのです。
そういったものの中で、何にチャレンジするか頭を巡らせました。
実は今度土曜日には、ニッセイでの《ラ・ボエーム》日本語版というものを見るのですが、このオペラは、あまりにもたくさん経験しているので、心が向きませんし、手持ちの映像はみんなとりあえず見ております。
その同じ土曜日のオペラ講座では、ロッシーニの《チェネレントラ》ですので。まずこれは見ておこうと思いました。
実演では何回か見ていると思うのですが、他の有名オペラに比べると回数はグーンと少ないのです。
これを探していましたら、最初の方だけ聴いてそのままになってしまったモンテヴェルデイの《オルフェオ》が出てきました。
先日新しい日本人の歌手の方で、昨年ヨーロッパで、《オルフェオ》の中の「音楽」という役で、あるプロダクションでデビュー(?)するはずだったというお話が伝わってきましたので、どんな役なのかせっかく映像があるのですから、知りたいと思いました。
そもそもその情報をきいても、どんな役なのかパッと想像することができたらその情報がより具体的になると感じたのです。
それからもう一つは先日ブログに書いた、友人の息子さんが一番ウィーンで歌ったオペラ、これもまたモンテヴェルディの《ポッペアの戴冠》です。近頃自分の中で身近に感じたこの3つのオペラの映像を探し出しました。
《ポッペアの戴冠》はいつぞやの演奏会形式で一度通して見ただけの経験しかありません。珍しいことにこのオペラの映像もありました。
この3つの映像が今さしあたって観てみたいものです。
で、《チェネレントラ》を主役バルトリの素晴らしい歌唱力、ならびに素晴らしい演技力で観てみました。珍しいことにこの映像は、アメリカ、ヒューストンの歌劇場で撮られたもので、ライブ版のです。
「ヨーロッパで撮られたものと違うなあ」と感じたのは、実は観客の反応なのです。
ちょっとおかしな仕草や演技、セリフがあると会場がどっと沸くのです。
その反応が実に素直なのです。
このオペラはイタリア語なのですが、字幕がついているのと、実際にことばを理解できる方が多いということもあるのだと思うのですが、その反応が実に素早いのです。
思わず、どこの歌劇場のものか見直してしまったほどです。
もちろんバルトリをはじめ歌手たちの歌も素晴らしいものだったのですが、その歌手への反応も素晴らしく、きっとこういうところで演技すると何かプラスαの力が発揮されるのではないかと思いました。
お客様が名演技の引き金になるように思いました。
残念ながら未だ日本では、名演の引き金になるようなそこまでの反応はないかもしれないなあと感じ、そんな観客の反応のことまで感じた映像でした。
しかし全編を通じて、役柄もいろいろですが、役柄に関係なく満遍なく降り注ぐコロラトゥーラに、もうま「すごい」の一言。
結局、最後まで観てしまいました。
さて、このオペラについて何を学ぶことができるのか楽しみではあります。
あとはモンテヴェルディの2作品ですが、どちらもアーノンクールが指揮したものです。
さてどちらから聴いてみましょうか。