2月になり、今月から、歌の講座が再開されることになっているのです。

 

第3週に、いつもより少し大きな会場を借りて今年最初の講座が開かれる予定です。

もちろん無観客で、小さいですがホールを借り、飛沫が飛ばないような間隔をあけて歌う形です。(ホールなので座席も周囲をあけて座って聴講もありにはなりました)

 

あっという間に一年近く経ってしまているのですね。

 

昨年中に、この2月の自分の曲の楽譜を提出する期限があったのですが、その際、いろいろ悩んだのですが、〈柳の歌〉を提出いたしました。

 

歌のレッスンで取り組んでいるヘンデルの曲で高音の部分の声の出し方についていろいろ学ぶことがあったこと。

 

歌のレッスンで続けて取り組んできたことが、やっと応用できる段階になってきたのではないかと自分で感じたこと。

 

今はまだ再開されておりませんが、イタリア語のディクションの時間でそれまでずっと取り組んできた歌であったこと。(レチタティーヴォもアヴェマリアも続けて取り組みましたので)

 

ずっと封印してきたイタリアオペラのアリアに「今の段階で取り組むと、どこまで歌えるようになっているのかな?」と考えたこと。

 

これらの理由で〈柳の歌〉にしました。少し長いので、レッスン時間が少ないことと考え合わせて、一度歌ってみて少し直す程度になるように思いますが……

 

3月も同じ曲でレッスンしていただく予定ですが、このレッスンはどちらも大きなホール

ではありませんが、ホールでのレッスンです。

ある程度ソーシャルディスタンスを考えて充分に距離が取れる場所を借りましたので、ホールで歌うことになりました。

 

7月に、昨年に予定されていたピアノの会が開催されることになり、先日ご連絡がありました。

昨年に提出していた曲とそっくりそのまま同じものを歌うことになります。

曲の説明もそのままです。

 

歌の講座の今年のコンサートについてはまだ決まっていませんが、昨年の会場は改装工事になってしまうので、まだどうなるか決まっていません。

 

通常のコンサートの感覚を取り戻す意味でも、ホールで歌ってみるのは今の状態では嬉しいことです。

昨年の1月以来、コンサートで歌うことがありませんでした。

その後、コンサートで借りていたホールを使って、リハーサルのホール、本番のホールの2回ほどホールレッスンはありましたが………

 

自分の気持ちをその歌に持っていく意味でも昨日はDVDをみてみようと思いました。全曲を見る余裕はなくても、その部分だけでも見る時間はありましたので。

 

ディクションで取り組んだこの曲を、そこで教えていただいたことを、どこまで覚えているかという興味もありましたので、昨年から自分の練習の時に、必ず歌ってみるようにしておりました。

 

楽譜に書いてある書き込みを見ながら、そうか「ここはこういう風に歌ったな」とか「この言葉はこう歌った方が良いですね」と言われたな……とか、こつこつとさらっておりました。

「私の花かんむりは、柳なのよ」という歌詞のところに、「ヴェルディがスタッカートをつけているのにはちゃんと意味があるのよ」と言われた言葉は思い出すのですが、どうしてスタッカートがついているか、疑問に思っていながら質問しそこなっていたのです。

今回も歌いながら考えたのですが、よくわかりません。

 

そういう風にいくつか疑問に思っていることもあって映像を見てみることにしたのです。

 

《オテロ》のDVDを私は3種類持っているのですが、〈柳の歌〉のあたりだけ見て、聴いてみたと思うのですが、よく覚えていないのです。

昨日はそのうちのどれにしようか迷ったのですが、ヨナス・カウフマンがオテロを歌っているものにしたのです。       

これはコヴェントガーデンで撮られたもので、何か途中を見て時間切れで、全部を見ずにいたもののように思います。(何かの原因で全部通しでは見ていなかったのです)

 

それが3幕目の終盤近くから見てみることにしたのですが、そこの画面のオテロにびっくりしたわけです。

嫉妬に身を焼かれるように、「ハンカチ、ハンカチ」と言いながら転げ回る演技のカウフマン、に実はびっくりしつつ、感動を覚えたのです。

なんと凄い……

こんなオテロは見たことがない

 

何か、今までのオテロに対する印象は、暴力的なイメージから逃れられないのです。特にMETの演出ものなどでは、デスデモーナは何故、結婚したいと思ったのか……すらよくわからないものでした。そんな感じの演出が多いのですから、上記の場面にびっくりしつつこの演出をこう演じることができる、カウフマン  に感動を覚えたのです。

 

その後の最終幕は〈柳の歌〉が出てくるところですから 続けて最後まで見て、最終的に3回〈柳の歌〉の部分を聴いたのですが、スタッカートの意味はわからずじまいでした。

 

もう一度他のものも見て、聴いて考えてみようとは思っていますが、当初の目的とは違ってしまいましたが、あの部分のカウフマンの演技を見ることができて良かった。

 

思わず特典映像も見てみましたが、これも普通では見られない、指揮者と歌手の関係を垣間見ることができて(バッパーノ)、心がかなり揺すぶられました。

なにしろ「凄い」の一言。

持っていたのに、全部通して見ていなかったなんて……

宝のもちぐされとはこういうことを言うのですね…………