金曜日のオペラファンタスティカは、ローマ歌劇場の公演でのベッリーニの《カプレーティ家とモンテッキ家》でした。
実はこの日、母の病院へこれからお世話になる施設の選定についての相談の約束があって、出かけました。
往きの車の中で最初の部分を聴いておりました。
そういえば、音声だけでしたがこのオペラの全曲録音のCDは持っているのですが、最初からちゃんと聴いたことがないことに気がつきました。
序曲がこんなに美しいメロディーだということに初めて気がついたのですから。
残念ながら途中で病院に着いてしまったので、ほとんどは聴くことができませんでした。
ちょうど相談が終わって、帰りの車に乗りましたら、最後の部分の音楽が鳴っていました。「あ〜あ、終わっちゃった……」
オペラの全曲が終わった後には、この《ロメオとジュリエット》に関する曲が、いくつか、聴くことができました。
チャイコフスキーの幻想序曲《ロメオとジュリエット》、プロコフィエフのバレエ音楽《ロメオとジュリエット》からの10の小品 作品75、バーンスタインの《ウエストサイドストーリー》から何曲か まで流されたのでした。
なんと、キリ・テ・カナワ と、ホセ・カレーラス が歌っていたようでしたが、何か声が違って聴こえました。歌うものによって歌い方を変えているのでしょうか……
オペラが始まる前には、シェークスピアの原作とベッリーニのオペラとの話の違いについて語られていました。
どうも今回のテーマは「ロメオとジュリエット」だったようです。
ちょうど聴いていた時に、バレエのプロコフィエフの曲をピアノ曲にしたものが流れてきました。
こんな聴き方をしていたので、今回印象に残ったのはこのピアノ曲でした。
このバレエは、その昔、ヌレエフがロメオの役を踊った映画を観に行って、強い印象を受けたものでした。
楽曲とともにしっかりとインプットされたものでした。
そこで初めてバレエというものをしっかりと意識したように思います。
そしてこの楽曲と振り付けが切っても切れないものとして頭に入り込んできたのです。
心に残っているのは、リズムと、歯切れの良い感覚、ダイナミズム、スピード感。
その中に見える叙情性……
実はプロコフィエフのこの曲は大好きなのです。
そういえばピアノで演奏したものを聴いたこともありました。
プロコフィエフのバレエの原曲をピアノの小品としてアレンジしているものがあったのですね。(う〜ん弾いてみたいな……でも何しろ、プロコフィエフだから……難しいだろうな……)
でも、楽譜は見てみたいと思いました。
あの印象深い場面のあの音楽がどんな音の組み合わせでできているのでしょう?
私のような凡人の耳にはオーケストラの伴奏だと楽器の音色に惑わされてそのエッセンスがよく聴こえないので、ピアノの楽譜は有効に思います。
今度楽譜を買いに行く機会があったら訊いてみましょう。
叙情的なメロディーと、迫力のある部分。
バレエの動きを彷彿とさせる早い動き。
そういった要素がそのピアノ曲にしっかりと含まれていました。
近頃、積極的にピアノのコンサートに行ったことがありませんでしたが、時々ピアノの曲が聴きたくなる時があるのです。
自分では練習もせず、どんどんピアノが弾けなくなっていくのがわかっているからでしょうか?なにかとても魅力を感じることがあるのです。
ピアノって大きな力を秘めている楽器です。
先日から再開したデパートの中に入っている楽器店で、DVDを購入したのですが、このお店が8月で撤退するというお知らせが出ていました。
現在、私のようにCDやDVDを購入する人口が減ってしまったからでしょう。
音源の求め方が変わってしまって、このような楽器、楽譜、とともにこのような形で音源を求めようとする人口が減ってしまったからでしょうかね。
銀座の本店で申し込んだ楽譜を、こちらの支店に送っていただいて購入したりしていたのですが、そんなこともできなくなります。
ちょっと寂しい限りですが、こういう風に引き締めていかないと、コロナ後のこういう世の中で生き残りをかけていかねばならないのですから、仕方がないのでしょう。