いつも5月の連休後の日曜日に行われていた音楽パーティーは今年は早々に中止になったのですが、土曜日の夜に新しいお誘いが来ました。

『音楽パーティーをオンラインでやりませんか? 』  とのこと。

は???

 

機械にとんと疎い私にはピンと来ませんでしたが、ニュースなどで自分の家で飲み会をやっているとの話題があちらこちらで聞こえてきますし、それぞれの家で演奏して、室内楽を演奏したり、オーケストラの演奏をしたりしている画像が紹介されたりしています。

パソコンの画面の前に、お酒を持ってきて飲みながら皆さんでお話しをしたりして盛り上がっているとのこと……自分には少々縁遠いことと思っていましたが。

 

この音楽パーティーは、以前歌の伴奏をしていただいたことがある方が中心になっているグループが主催で開かれていま。

その方が教えていらっしゃるピアノの生徒さんや(なぜか大人が多いのです)

大学時代のお友だち、友だちの友だち、お子さまの同級生、など幅広い人脈がお集まりになって開かれるのです。

人の前で発表する機会として楽しみにされていた方もいたようで、自分の演奏を皆さんに聴いていただける機会としてオンラインを使って聴いていただくのはどうだろうとのことのようでした。

日時は5月の当初決まっていた時で、Skypeをつかって…とのことですが、機械がちんぷ

んかんぷんのわたしにははて?………です。

 

Wi-fi 環境があり 演奏を発表するという形で、自分の手元に、アルコールかソフトドリンクを用意して行いましょうという形のようです。

 

希望者のみとのことですが、実はこの機械のことが理解できたとしても、わたしのように歌を歌おうと思っていたものには一つ大きな問題があります。歌には伴奏者が必要なのですから、こればかりはピアノはピアノ、歌は歌というわけにはいかないのです。

実はパーティーという性格上、これまでの何回かは、前もって楽譜を送っておいて、主催者の方にお願いしておりました。

当日ズバリ本番ということで、5分ぐらい合わせてから弾いていただいていたのです。

 

今度の7月の勉強会で、伴奏していただく方もかなりこのウィルスには神経質になっていらっしゃって、まだ一度も合わせていない状態です。

機会が訪れるまでそれぞれが自分でさらっている状態です。

私としては、ホールで歌う前に、一度この機会に高音の出し方で試してみたい事柄があったので、このパーティーでの演奏をさせていただけるようにお願いしたのです。

(もちろん申し込みをするときには、こんなにコロナウィルスが蔓延するとは思ってもみなかったのですが。)

 

しかし、現在の状態では、その方にもお願いできませんし、その主催の方に弾いていただくこともできないので、機械関係がクリアできたとしても今回のオンラインの出演は無理ですね。

 

この音楽パーティーが毎年行われていた場所は、こちらでは高層建築でかなり有名なホテルの老舗のバーで、とても雰囲気が良く、大人のムードが漂っており、普段私どもが足を踏み入れることができないように思われる場所なのです。

バーが夜に開かれる前の時間を利用して、備え付けのピアノを使ってコンサートありのパーティーにしようという発想だったようなのです。

私にとっては、このバーの雰囲気を味わわせていただくと同時に、5月は夏、秋に予定されているコンサートの前に、自分で試してみたいことをやらせていただく場所として、利用させていただいていました。

歌もクラシックだけではなく、シャンソンの方もいらしたり、楽器もバンドを組んでいらっしゃる方の演奏もあったりして、まあなんでもありの形ですが、いろんな発見もあるのです。何しろ、そういったアルコールも入ったお客さまを演奏に振り向いてもらう技術って難しいのですから。そうした場所で黙って聴いてもらえるためには、もっともっとたいへんなのです。

以前、ビヤホールでの食事つきの音楽会に出していただいたことがありますが、そういったざわざわした中で自分の演奏に振り向いてもらうためには、演出の工夫やら歌い方にも工夫がいるのだなあと本当に感じたことがあったのでした。

ここがアマチュアと、プロの違いなのだなあと感じたことがありました。

お客様を自分の側に引き込んでしまう技のようなものがあったのです。

 

これからは、「世の中で自分しか歌えない歌を作っていくのが良いと思うよ。オペラのアリアもよいけれど、ウィーンの小唄をウィーン訛りで歌えるのは僕しかいないと思うよ。」「これからはそういった方向で勉強の仕方を考えたら?」とのアドバイスもいただきました。

 

そういったところで歌ってみて初めてプロの大変さに改めて気がついたのでしたが。