ちょっと嬉しいことがありました。

楽譜やCDや、DVDを購入する楽器店から珍しいことに宅急便がきて、不在通知が入っていました。

 

心当たりはただ一つ。

《私はマリア・カラス》のDVDについていた応募ハガキを出していたのです。

抽選でマリア・カラスのイメージで作られたポーチが当たるとのことだったのです。

そしてやはり、それはマリアカラスのイメージで作られたポーチでした。

誤解がないように。これはカラスが使っていたポーチではなく、あくまでも彼女のイメージで作られたポーチということなのです。

 

どんなものかわかりませんし、当たった人だけに送られてくるものですし、賞品の写真があったわけでもないので、どんなものかわかりませんでしたが、ちょっと興味はありました。

 

どこがどうカラスのイメージなのか、私にはなんとも言えませんが、嬉しいことではありました。他ならぬマリアカラスのイメージで作られたというものだったのですから。

 

何という布地かわからないのですが、白い半透明な生地が重なっている本体に、銅の色といえば良いでしょうか、その色の美しいレースがついていて、ファスナーには大きな茶色のリボンが付いています。全体の色合いとしては美しいのですが、本体が白なので持ち歩くときっとすぐ汚れてしまうでしょう。

やはり、飾って眺めることになりそうです。

汚れてしまったら洗濯という感じではありませんので。素材のレースといいその生地といい、ここぞという時にそっと使うといったものだと思います。

やはり、実用には使えないかな……

 

やはり、カラスはカラスですから、優雅に悠然と微笑んでいてほしいのですから。

生活にクタクタになるカラスはイメージできません。

 

でも化粧道具ではなく、アクセサリーケースにしても良いかな?

ポーチですからその点は運用の点では何とかなると思います。

 

カラスのあの目に特徴のあるメイクを自分ではどうやっていたのでしょうね。いつもメイクさんがついているわけではないので、いつもきちんとしたお顔を作っていらっしゃった彼女はどんな感じで自分を作っていらっしゃったのでしょう。

大きな目、大きな口、大きな鼻、全て顔の造作は大きめでした。あのお顔だったから共鳴も良かったのだと思われます。

 

後年、自分の発声を直すために頑張ってレッスンしていたと映画の中で説明がありました。それを成し遂げていたらどんなカラスになっていたんだろうと思います。

 

せめて、私もそのポーチに励まされながら、自分の発声の改革に努めたいと思います。

10月の最初の週に普通のホールをレッスンのために借りたホールレッスンが行われます。

今回の私の課題は、喉の息の通り道を自由にしておいて深い息で歌うこと。息は送り続けること。

この2回のレッスンで、  大先生には  Besser  といわれていますが、今の喉の開け具合で、どのぐらい会場に声が広がっていくか、そしてまた隅々まで届いていくか自分でも確かめてみたいことですが、歌詞はつけません。歌詞まではまだ早いとのこと。

 

皆さん今回歌う選曲は、1月のコンサートで歌う曲を想定していらっしゃるのですが、私はまだそういった曲の片鱗も見えていません。心の中は少々焦っていますが、今はひたすらヴォカリーズにかけています。私もステージで歌って、どれだけ自分の声の響きが流れていくかを感じることがちょっと楽しみでもあるのです。

以前との違いが「明確に感じ取れたら良いなあ」と思っています。

 

まずはホールレッスンでは怒られ続けだったので、今回は怒られてがっかりして終わるということがないようにしたいと思います。

そのために背水の陣です。この30分のために稼業日ですが、勤めを休みます。

割り当ての時間がちょうどお昼の頃なので、仕方がないということもあるのです。

 

気持ちも身体もリラックスできるように。一年に一回のホールで聴いていただける機会なのですから。もう次回ホールで聴いていただけるのは1月のコンサートになってしまいます。

 

この夏、本当に苦しんだ日々がありました。その結果がここで結実してくれると良いなあと思っています。