このオペラの細切れの歌とかこういうお話なのだとかは聞いていたのですが、なかなか実際に上演しているものにお目にかかれず、通しで聴いたことがありませんでした。

予習もなく今日まで来てしまいました。

 

コリンナ:  砂川 涼子

メリベーア侯爵夫人: 中島郁子

フォルヴィル伯爵夫人: 佐藤美枝子

コルテーゼ夫人: 山口佳子

騎士ベルフィオーレ: 中井亮一

リーベンスコフ伯爵: 小堀勇介

シドニー卿: 伊藤貴之

ドン・プロフォンド: 久保田真澄

トロンボノク男爵: 谷友博

ドン・アルヴァーロ: 須藤慎吾

ドン・ ブルデンツィオ: 三浦克次

ドン・ルイジーノ : 井出司

デリア: 楠野麻衣

マッダレーナ: 牧野真由美

モデスティーナ: 丸尾有香

ゼフィリーノ: 山内政幸

アントーニオ: 岡野守

 

指揮  園田隆一郎      演出  松本重孝

東京フィルハーモニー交響楽団   

藤原歌劇団合唱部、新国立劇場合唱部、二期会合唱部

 

聴きたいとずっと思っていた割には今回、このチケットを求めた時、かなりな緊縮財政の折、4FのR列、かなりステージに近い方でしたので、 なんとステージが半分見えない座席でした。

本当に見えないのだなあとちょっと感心したりしました。

休み時間の時に身を乗り出してステージがどれだけ見えるかやってみましたが、そうしても見えないものは見えないので、ちょっと諦め、上演中は周りに不愉快な気持ちを与えないように、身体は極力あまり乗り出さず、動かないようにはしていました。

背もたれに背をつけていると、それはあんまりなので、(ここは後ろの列は無いのです。)

少し前に出てはいましたが、お隣の方の視線に被さらないようには注意していました。

 

だいぶ前に購入したので、実は今回どんな座席かわかっていなかったのですが、はっきり言って今までで一番ステージが見えない座席でした。

今回初めて体験しました。

昔、王侯、貴族で注目される人が座ったとされるステージに一番近い真横の位置の座席です。

あれじゃ本当に見られる席で、絶対見ることができる席ではありません。

しかし音はクリアーに聴こえますし、見えないところはそれこそ想像力を働かせ、時々お隣に迷惑にならないように、ちょっと前に出て少し舞台右をのぞいてみるという程度。

 

さすがに新国立劇場の音の立ち上がりは素晴らしいです。

耳の方は堪能したのですが、ちょっとみる方が半分だったので残念な部分はありました。

 

いつも、他の座席に座っている時に、あそこはどんな見え方をしているのだろうなと思っていたので、体験できてよかったです。

いつも私が購入する時には、本日のランクの座席はいつも売れてしまっている座席なのですが、今回はとても購入した時期が早かったので、ちょっとどんなものか座ったことがない座席にしてみることにしたのです。ものは試し………

一度体験してみたかった座席ではあったのですが、それが今回の座席であるとは思っていませんでした。ここを購入したことを忘れていました。

 

本当に多彩な声の共演でした。ロッシーニの軽快なメロディーに乗って次々と色々な声の歌手の方が歌われるので本当に華やかでした。

皆さんお声の調子がとても良いように思えました。

その中で特に、様々なアリア、重唱の中で、メリベーア侯爵夫人とリーベンスコフ伯爵が、コロラトゥーラの技術を駆使して、お互いを非難しながら、最終的には仲直りしていくという二重唱には本当に驚きました。

音域も、メリベーア侯爵夫人がメゾソプラノ。リーベンスコフ伯爵がテノール。

しかもこのテノールはかなり高音までフルヴォイスで出すレッジェーロの声。

それにメゾソプラノの声で絡むわけですから、ここはよりが細かくきちんとした音程で、しかもメゾの声よりも高い音程のテノールとハーモニーしたり、一緒にコロラトゥーラで動いたりするわけですから、聴いていてかなり大変だと思われる曲でした。

しかし、ここで歌われるコロラトゥーラは最初不安感を伴った、心の動きであるのですが、それが後半喜びに打ち震える心の描写に変わっていくのです。

しかも音質的にはちょっとでも油断すると、不安感しか残らない様相を呈するところだと思われます。それを見事に歌い上げていたのですからかなりな技術だと思われます。

こんな曲を作ったロッシーニも見事だと思いました。

 

ステージは半分しか見えませんでしたけれどこの二重唱の凄さは聴き取れましたよ。

う〜んロッシーニ❗️

ペーザロのアカデミーで学ばれる方が増えたからでしょうか。昔とは比較にならないくらい近頃のロッシーニはすごくなったように思われるのです。

 

プログラムを読んでいましたら、ロッシーニは《ランスへの旅》のご褒美に勲章が欲しかったのだそうですが、このオペラを贈られた王さまはこのオペラを見ながら、とても飽きてしまったようです。したがって勲章授与には応じなかったとのこと。最終的には《ウィリヘルム・テル》まで勲章は持ち越したようですが。

 

メリベーア侯爵夫人は中島郁子さん。リーベンスコフ伯爵は小堀勇介さんが歌われました。本当に難しい二重唱だと思いました。

 

他の歌手の方たちもかなりの熱演だったと思います。

それが嫌味なくこのオペラを作品として価値あるものにしていたと思います。

 

オペラの上演はとてもよかったのですが………

実は帰り道、本日の行き帰りはJRを使ったのですが、地下鉄に乗り換える時に、京浜急行線からの振替輸送ですごいことになっておりました。

今日はお弟子先生レッスンの後、浜離宮ホールへ行くのですが、今日のこのルートはかなり京浜急行に頼るルートだったので、行き方帰り方を考えていかねばなりません。