代休の月曜日。さすがに疲れていたのか、あれもやらなきゃこれもやらなきゃと思いつつ眠ってしまったので、けっきょく予定していたことの半分もできませんでした。
でもやはり、身体は休息を求めていたのでしょう、眠った後は至極普通に動き出しておりました。
整形外科から内科へ。
ぜひやっておかねばならないこと
8月ミッドサマーコンサートのチラシを6月には作りたいとのこと。選曲確定せねばなりません。
2ヶ月しかないのですから……
しかし、せっかくやるなら、勉強することがなくてはやる意味がないですし、新しいものばかりでは、期間が短すぎます。
グルックの《エウリディーチェを失いぬ》を入れてみようと思ったのですが、先日歌曲講座で見ていただいたときは、一般的に歌われている楽譜を使って歌ったのですが、グルックが作ったもう一つのバージョンの楽譜が曲集に載っていて、その楽譜で歌ってみたいと思っていたのです。
しかし、先日の講座では、取り組む時間がなく、譜面を検討したものが途中になってしまっていました。
それをきちんとやってみるのはどうだろうと考えました。
検索してみましたら、フォン・オッターの歌ったものの形式が、そのバージョンに近いものでした。もちろん装飾の部分が出てくるので、それをさらっと歌うのは私には少々きついことと思いますが、せっかく新しい場面で歌わせていただくのですから、勉強できることに取り組みたいと思ったのです。
実は、今やっているメソッドは細かく動くときにも役に立つのです。
自分用につくり始めていた楽譜が、作りかけになっていたので、それをまず完成させたいと思っていたのですが。
う〜ん。気は焦るのですが……
そんな時、私の何日か前のブログの文章に「いいね」をいただいた方のブログを拝見させていただきましたら、なんとお気に入りの歌を紹介という形で歌詞を載せていらっしゃった方がいらっしゃいました。
そこにあったのは《菩提樹 ぼだいじゅ》
この歌は、私の父親が大好きだった曲で、小さい頃カタカナでこのドイツ語の歌詞を教えてくれました。
アン、ブルンネン、フォル デム トーレ Am Brunnen vor dem Tore
ダ シュテート アイン リンデンバウム da steht ein Lindenbaum
といった調子で。
その日本語の歌詞がシンプルに載せられていたのです。
近藤朔風 訳詞
泉に添いて 茂る菩提樹
慕いゆきては うまし夢みつ
その日本語の歌詞を見ていましたら、なんとなく森の情景が浮かんでくるのです。
時季はやはりこの麗しい5月頃でしょうか。
そして父親が亡くなったのが6月。
そして巡り合わせと言いますか、父親の命日が娘の誕生日なのです。
なんの因果でしょうか、わからないのですが。
普通の生活ではかなり前のことなので、すっかり忘れているのですが、この時期になると何かの形で「忘れているよ」と気づかせてくれるように思います。
《ウェルテル》でも、ウェルテルが息も絶え絶えにシャルロッテに、森の奥にある菩提樹の根元に埋めて欲しいという言葉を伝える場面があったように思います。
その時もなんとなく、この《菩提樹》の歌で思い浮かべる情景を私は頭に浮かべていたのです。
キリスト教では自殺は許されないのですから、当然何処か墓地とは違った場所に葬られるわけですから、自分が眠る場所をシャルロッテに遺言していたのだなあと思いました。
そのオペラの時に出てきた私のイメージは、この《菩提樹》という歌を聴いて浮かんでいた場面でした。
誰かの風景画で見たのかと思いますが、爽やかな、しかし深い森の風景なのです。樹々の葉が風にそよぐ風景。
そういえば、父親はドイツ語が得意というか、何故だか好きだったように思います。
父にとってこの歌はどんなイメージを掻き立てる歌だったのでしょうか。