『まだまだかかりそう?』
ガイドのカンチャンは
焦ったように身を乗り出した。




冬の日射しは短い。

青い空は役目を終えて、
赤く染まる準備を始めようとしていた。


車のナビゲーションシステム。
まだ目的地までは長い。

ひたすら一本道がのびていた。




山の奥へ奥へと進んでいく。


見えた!見えてきた!

標高が上がっているせいか
なんとかまだ明るい。





まだゴールではない。

でも、やっと目的地が見えてきた。




『比叡山へようこそ』


その文字を見た瞬間、
車内はどよめいた。


我が家のガイドがいつものように
まとめたデータを読み上げた。





ここは比叡山。

麓でも空気は
とても冷たかった。


そして
とても澄んでいた。





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