『君の名は。』を観た時、僕はある映画を思い出していました。

その作品は『バタフライ・エフェクト』。

本国アメリカで2004年1月に公開され、日本には1年後の5月に公開されています。

本作はカオス理論のひとつバタフライ効果をテーマにした練り上げた脚本が受けて、アメリカでは初登場1位を獲得したそうです。

 

 

僕にはバタフライ効果をわかりやすくうまく説明することができないですが、

とても簡潔に言うと、僅かな出来事がその後の状態に大きな影響を及ぼしてしまうこと、みたいな意味合いです。

今の境遇について、過去を振り返り、もしあのときあの選択をしていなかったらもっと違う今があるのではないか?誰でもそんなことを考えたことがあるでしょう。

本作も過去を書き換える能力をもった主人公が、過去に戻り、違う選択をすることで、恋人を不遇な境遇から救おうと試みるのです。

しかし、何度過去に戻って、違う選択をしてみても、恋人は不幸な目にあってしまうし、幼友達や自分自身にも不幸な境遇が襲い掛かってしまうのです。

そして最終的に主人公が選択した方法は、恋人と一番最初に出会った日に戻り、彼女に悪態をつくことで、彼女を自分から遠ざけ、自分とは関わり合いのない人生を歩ませることでした。

 

4パターンあるラスト

 

本作には4つの異なるラストシーンがあります。

ひとつは劇場で公開されたバージョンで、広く知られた内容です。

恋人に自分とは関わり合いのない人生を歩ませることに成功し、幸せな人生を歩んだふたりが繁華街で偶然すれ違う。お互いどこかで会ったような意識はするが、語り合うことはなく通り過ぎる。何か物悲しい終わり方。

もうひとつは繁華街で偶然出会った彼女に主人公が声を掛け、彼女も主人公を好意的に受け止める。ハッピーエンドな終わり方。

もうひとつが繁華街で偶然出会い、通り過ぎてゆく彼女を主人公が追いかけていくという終わり方。

以上の3つのラストはレンタルDVDに収録されているようです。

そして4つめ。ディレクターズカットというものが存在します。本来、本作の監督が正規版として公開しようとしていた内容です。

主人公が最後に戻った過去は自分が生まれる瞬間。なんと主人公はへその緒で母親の胎内で自殺してしまうのです。主人公が生まれなかったことで、自分に関わり合いになり不幸になる人間も存在しなくなり、自分以外すべてがハッピーエンドとなります。

このラストは配給会社からNOが出たことで、正規版とはならなったようです。

確かにあまり後味の良いラストではありませんね。

ディレクターズカット版は本作のセル用DVDには収録されているとのことです。

 

Youtubeで4つの異なるラストシーンが公開されていたので、貼り付けしておきますね。

 

 

過去を修正するという点では、本作は『君の名は。』と共通しています。またふたりがすれ違うというラストシーンも似ていますね。

『バタフライ・エフェクト』をまだ観ていない方はぜひ観てください。