しずしんの社説(10・1朝刊)にシカの食害防止について掲載されている。内容から誰の考えであるかが分からないので、私は何者の考えが掲載されているのかを推測しながら読ませていただいた。昨年の夏ころ静大の増沢武弘教授が、やはりしずしんで活動報告されたことが思い出されました。

社説の筆者は誰なのか?あえて想像してみると、アルプスの高山植物をこよなく愛して、これまでも保護に努めてきた登山者なのか。研究者なのか。県か国の行政マンなのか。防鹿柵の設置に協力しているボランティアの一員なのか。

私の推測では新聞記者だ・・・に落ち着いた。現地に登山してお花畑を見詰めながら、鹿の食害で無残に荒らされたお花畑を見詰めて・・・、1日も早い保護施策を講ずることを訴えて・・・、ボランティアの活躍と苦労を目の当たりにして・・・、ボランティア組織の体制整備を訴えて・・・いる。シカの生態をしっかり調査することも訴えている。

さらに3000m級の山岳地域での防鹿柵設置作業の危険性にも言及している。

社説を書くのは当然「社」の人間に決まっている。

高山植物を愛している、食害の実態を研究している、防鹿柵設置に汗を流している、山岳地域は危険が多い場所だと知っている。

私の脳裏に浮かんだのは、シリアの戦場で殺害されたジャーナリストの山本美香さんだった。彼女は戦火の犠牲者となって悲しむ女性や子供たちにカメラを向け続け、世界に平和を訴えながらその戦場で撃たれた。

私は高山地帯にまで鹿の生息範囲が拡大していくことを危惧してきた。カモシカの生息が里山に拡大してきたこともおかしいと思っている。鹿もカモシカも個体数が異常に増えていることが要因であり、樹木の芽や皮を食べるなどの食害で生態系が壊され自然環境に異変が起こっている。高山植物もその一つだ。

社説の筆者が末尾に書いている“増えすぎたシカを減らす取り組みも必要だ“というこの2行が、私が日ごろから訴えている「棲み分け」の考え方である。高山地帯に上ってきたシカを射殺して鹿の個体調整すること、里山に降りてきたカモシカを射殺してカモシカの個体調整すること、この行為は鹿にとってもカモシカにとっても生態系を守るための正義だと私は信じている。