部活が終り、紀夫は着替えをするため、シャワー室に入った。
16才の肉体からは、健康な、若木のようなさわやかな薫りが立ち上っている。
サッカーは激しいスポーツだから、ぜい肉などまったくなく、しなやかで筋肉質の、
均整のとれた細身の、そうして時宜に応じていつでも自由自在に最大限の身体能力を発揮できる、
そういう訓練のなされた鋼鉄の様な、それでいて見る女をとろかせるようなミリキ的な肉だった。
殆ど同じタイプの、少しがっちりした体格の浜夫が入ってきた。
紀夫は金髪の優男、に見える。浜夫と比較すると「風と共に去りぬ」のアシュレーウィルクスのようだ。
髭を剃ったクラークゲーブルを15若くした、という感じの浜夫が、いきなりものも言わずに
紀夫に抱きつき、唇をむさぼりだした。
いつものことなので、紀夫は抗わない。されるままに体を抱きすくめられている。
舌を差し込まれ、巧妙な指の動きが、下半身の敏感な生殖器官の快美神経を刺戟
しはじめる。ねっとりとした舌の感触とごつごつした指が自分のカンジチャウ部分を
這いまわる感覚を、紀夫は陶然と味わっていた・・・