Fahim

 

2019年 フランス映画

 

【監督】ピエール=フランソワ・マンタン=ラバル

【出演】アソド・アーメッド

     ジェラール・ドパルデュー

     ミザヌン・ラハマン

     イザベル・ナンティ

 

【ストーリー】

 バングラデシュで天才チェス少年として有名だったファヒムは、8歳の時に父親とともに家族を残しパリに移り住むこととなった。政治難民としてフランスに到着し、強制送還に怯える日々を送る中、ファヒムはフランスでもっとも優秀なチェスのコーチの1人であるシルヴァンに出会う。最初は警戒心を抱いていたファヒムとシルヴァンは、次第に友情を築いていく。チェスのフランス国内大会がスタートする一方で、ファヒムに強制送還の脅威が迫っていた。

 

【コメント】(ネタバレあり!)

 これまた実話に基づいた移民のお話です。日本では移民の話題あまりないですが、世界でもそういう国は少ないのかも。

バングラデシュって日本と同じくアジアなのに、あまり知りませんよね。

この映画にあるように2000年初頭バングラデシュでは政変が続き、暴動が絶えなかったようです。ということを私は今まで知りませんでした。日本で報道されてないのか、私がちゃんとニュースを見てないだけなのか…。

 そんな中でチェスの天才少年と有名だったファヒムは親族が反政府組織に属していたこともあり、身の危険を感じ、父親とふたりパリへと脱出します。その過程も描かれてとてもリアル。脱出も命がけ。運もお金も必要です。

 そして、フランスに到着し、道端で怯えながら寝ていた彼らを救ってくれたのは彼らのような人たちを保護する難民センターの職員。難民申請が通るまでここで生活できます。そんなところもあるのかー、さすがフランス!

 そして難民申請が通るまで、ファヒムはかつて有名なチェスの選手であったシルヴァンが教えるチェス教室に通います。

 ファヒムの父親は職探しをしつつ、難民申請をするのですが…。ここでも衝撃の出来事が。なんとインド人の通訳が申請の面接できちんと通訳しないのですよ。もうびっくり。父親は全然フランス語ができないし、なかなかフランスになじめないでいるけど、ファヒムはみるみるフランス語も上達。そんなファヒムがこのことを暴くのです。

 強制撤去を免れるためにはファヒムがチェスの大会で優勝するしかありません。とにかくハラハラの展開です。

最後の最後にチェス教室の経営者マチルダがとある人に質問できる電話に質問が選ばれ、自ら問います。とても素敵な感動的なシーンです。日本でこんなことないだろうなって感じ。最後はめでたしめでたしで、良かったです。でも、あくまでもこれは奇跡なんですよね。

 とにかく事実に基づいたお話です。ファヒム役のアサド・アーメッド自身、撮影の3ヶ月前にバングラデシュからフランスに移住したばかりとか。それで堂々たる演技。見事です。チェスのシーンなんて、チェスがさっぱりわからない私でも楽しめました。

 ヨーロッパの映画はチェスの映画とかシーンとか多いので、チェスがわかったら、きっとずっと面白いんだろうなと思いつついつも見ています。

 名優ジェラール・ドパルデューがすごく太ったのかこの映画のために太ったのかわかりませんが、さすがの演技でした。

 あとこの映画で印象的だったのはバングラデシュの人は時間を全然気にしないということ。父親がバングラデシュではだれも時間を気にしないから、遅れても気にならないし、みんな幸せって言ってたのが面白かったです。

 とっても素敵な映画でした。おススメ♪