The Deer Hunter
1978年 アメリカ映画
【監督】マイケル・チミノ
【出演】ロバート・デニーロ
ジョン・カザール
ジョン・サベージ
メリル・ストリープ
クリストファー・ウォーケン
【ストーリー】
60年代末、ペンシルバニアの製鋼所で働くマイケル、スティーヴン、ニックたちは休日になると鹿狩りを楽しん
でいた。やがてマイケルたちは徴兵され、ベトナムへ。彼らは戦場で再会するが、捕虜となり、残酷なゲームを
強要される。マイケルの機転で脱出に成功するが、その後ニックは行方不明に。マイケルは
彼を捜すが。(eiga.comより)
【コメント】 (ネタバレあり!)
実はこの名作を観ていなかったので、デジタル修復版を映画館で観れると知って速攻で観てきました。
3時間に及ぶ大作なんですが、全然長さは感じませんでした。40年も前の作品なので、デニーロも若いし、まだ
まだ新人のメリル・ストリープがとっても初々しくって新鮮でした。そして何よりこの作品でアカデミー賞助演男優
賞を受賞したクリストファー・ウォーケンのあまりの美しさに目が奪われてしまいました。あんなに超美形だったん
ですね。クールな瞳にくらくらしてしまいました。それでいて最後の狂気。本当に熱演です。
熱演というと出演者みんな熱演で、デニーロなんてとてもベトナム戦争の狂気のロシアン・ルーレットの中でも
とにかく冷静沈着な役でしたが、どうにか生きて戦地から戻ったものの、戦地を経験した兵士がアメリカ本土の
人々の考え方とのギャップに苦しみ元のようには戻れないそういう繊細な演技をしててさすがでした。
その点、ニック役のクリストファー・ウォーケンは初めは明るい青年なのに、それに生き残ったのに、やはり、心
に深い傷を負い、ベトナムに残り、まさかの命をかけた勝負の世界に足を踏み入れてしまい、最後には喜怒哀
楽も失い、表情がなくなってしまいます。あまりにも悲しすぎるマイケルとの再会。狂気のラスト。あまりにもあま
りにも辛過ぎました。
前半のペンシルバニアのシーンはロシアからの移民たちのコミュニティを舞台に、美しい山での鹿狩りや、ス
ティーヴンの結婚式のシーンがそれは壮大なスケールで描かれててとっても華やか。なだけに短いシーンです
がベトナム戦争でのロシアン・ルーレットのシーンは強烈すぎて、あれだけで人生おかしくなるのは分かります。
マイケルは両足を失ったスティーヴンと崩壊しつつあったその家族のためにも奔走します。でも、戦争から戻っ
て鹿狩りに行っても戦争を経験した彼には鹿を仕留めることはできないのです。
色々と考えさせられて胸が詰まるような反戦映画でした。ロシアン・ルーレットのシーンは辛過ぎて観れない人
も多いとは思いますが、ぜひ多くの人に観てほしい映画です。