GRACE OF MONACO
2013年 フランス映画
【監督】オリヴィエ・ダアン
【出演】ニコール・キッドマン
ティム・ロス
フランク・ランジェラ
パズ・ヴェガ
パーカー・ポージー
マイロ・ヴィンティミリア
デレク・ジャコビ
ロバート・リンゼイ
ジェラルディン・ソマーヴィル
【ストーリー】
女優を引退しモナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚した公妃グレース(ニコール・キッドマン)は、アルフ
レッド・ヒッチコック監督からの新作オファーに心が揺れていた。そんな折、夫の推し進めていた政策が当時のフ
ランス大統領シャルル・ド・ゴールを激怒させ、武力衝突に発展する可能性もある危機に直面。彼女はスクリー
ン復帰か、家族そして国家のために全てをささげるかの選択に直面し……。(シネマトゥデイより)
【コメント】
グレース・ケリーがモナコ公妃となり、シンデレラストーリーを体現したというのはそれは有名な話でしたが、そ
の後のグレースがどのような日々を過ごしたか、公妃としてどのようなことをしていたのかというのはそんなに知
りませんでした。実際、モナコとフランスの間にこんな国家間の緊張感とかあったとか驚きでした。またそんな中
で切り札はグレース公妃というのがまた驚きです。映画はあくまでも実話に基づいたフィクションなのでどこまで
が真実かは分かりませんが、彼女がモナコを救ったことに間違いはないはず。
実はグレース・ケリーの映画を一本も観れていません。どれも名作ぞろいなのに・・・(>o<)ちょうど明日早朝WO
WWOWで「喝采」があるので録画して観ます。
で、いつも美しいグレース・ケリーの写真とか眺めて美しいなあ思ってましたが、今回の映画を観て、実はアメ
リカ人ということで自分の意見をしっかり話す人だったんですね。それがヨーロッパでは好まれなかったりして、
苦労したんですね。女優だからと相手にされなかったりして孤立してたなんて。
もうひとつ驚きだったのは結婚にあたり、モナコの王室について特に学ばないまま嫁いだということ。日本だと
結婚前に皇室についてのお勉強会とかありますよね。だから彼女自らが奮い立って公妃としてふさわしく振る舞
うために、はたまた世界中の敵を味方にするために公妃を演じることを決意し、歴史やフランス語とかあらゆる
立ち居振る舞いから習得するわけです。
ヒッチコックとの友情というか師弟関係というかつながりもとっても素敵でした。公妃がハリウッド映画に出ると
か当時はナンセンスだったんですね。
もちろん最大の見どころはド・ゴールをも招いての舞踏会。豪華絢爛な衣装と宝石とマリア・カラスの歌とそして
一世一代のスピーチ。一女優だったグレースがモナコの運命を背負って話すスピーチはほんと感動的でした。
行き場のなかった彼女がモナコの公妃として生きると決意表明したということですよね。
どんなに幸せなシンデレラ・ストーリーを絵に描いたような人生だと思っても、それを上回る苦労とか苦悩とか
を体験して歴史の人となっていったんだなとしみじみ。どういう選択をするか、どう克服するか、それはすべて自
分の気持ちと努力にかかってるってことでしょうか。
ニコール・キッドマンはグレースに似てはいないけど、グレースとして輝いてました。すごいプレッシャーだった
でしょうねー。カルティエ、ディオール、エルメスも協力して再現したという衣装や宝石が似合うってすごいことだ
と思います。
ティム・ロスもレーニエ公の役が意外にも似合ってました。役者だな。
監督が伝記映画ではなく人間ドラマを描きたかったというように歴史もの伝記ものというよりグレース・ケリーが
もっと身近な存在のひとりの女性として描かれていたと思います。それでも簡単な歴史ものとして見ても楽しめる
かと。