THE DEVIL'S VIOLINIST
2013年 ドイツ映画
【監督】バーナード・ローズ
【出演】デイヴィッド・ギャレット
ジャレッド・ハリス
アンドレア・デック
クリスチャン・マッケイ
ジョエリー・リチャードソン
ヴェロニカ・フェレ
ヘルムート・バーガー
【ストーリー】
1830年のイタリア、並外れた才能を持ちながらも不遇の日々を送るバイオリニスト、パガニーニ(デイヴィッド・
ギャレット)の前に突如現れたウルバーニ(ジャレッド・ハリス)は、彼を著名なバイオリニストにしてみせると約
束。ウルバーニはさまざまな手段を用いて名門劇場での公演を成功に導き、パガニーニは一躍富と名声を手に
入れる。成功後も放蕩(ほうとう)生活を送る彼のもとに、ロンドンデビューの話が舞い込む。(シネマトゥデイより)
【コメント】
いやー、現在のパガニーニ、デイヴィッド・ギャレット自らがパガニーニを演じてそのバイオリンの腕前を惜しげ
もなく披露する彼による彼のための映画みたいな感じです。
デイヴィッド・ギャレットの演奏を観たのはこれが初めてでした。パガニーニなのかギャレットなのかもう完全に
リンクしてました。あまりに時代の先端を行きすぎた驚異の演奏により神童ではなく悪魔に魂を売ってその才能
を得たと言われる彼の演奏はまさに超絶技巧。でも天才の私生活ってすさんでますよね。超好色なわけで、そ
れでいてあのバイオリンの腕前を見せつけられちゃ、彼に対しての反対運動まで起こったり、クラッシックの世界
でもこんなに今のアイドルのようにキャーキャー言われるのも分かるなと。酒場でのサプライズ演奏もすごかった
し、ロンドン公演での演出とか演奏とかもうとにかく迫力で、ただただ見入ってしまいました。でもシャーロットの
歌の演奏を部屋でしてる時の安らかな感じもステキでした。えー、とにかくステキですわ。長髪振り乱して神がか
り的に演奏する姿はほんと神々しいというより狂気の域。
パガニーニとシャーロットの恋もウルバーニの策略にあえなく遮られますが、実際にもシャーロットとの駆け落
ちは失敗しワトソン事件として大スキャンダルだったとか。その後の彼の彼女への想いは続くも彼女は別の男性
と結婚し…と可哀想な気もしますが、まあ、スキャンダラスな男性なら親もあまりいい気はしないですよね。
息子とはとてもいい関係を築いててひとりぼっちじゃなくて良かったな。
とにかく全編を彩る名曲と名演奏の数々。パガニーニの曲も様々。シャーロットが何回も歌うアリア「あなたを
想っているわ、愛しい人よ」もほんと美しいです。シューベルトの「魔王」はウルバーニのテーマとして使われてま
す。ほんと悪魔のような存在でした。
そのウルバーニ役のジャレッド・ハリスは時に優しく、時に悪魔のように怖い存在でした。
デイヴィッド・ギャレット以外にもシャーロット役のアンドレア・デックも自ら歌ってるそうです。映画版レミゼにも
出てたそうでどこに出てたのか気になります。美しい歌声でした。
お父さんのジョン・ワトソン役のクリスチャン・マッケイもピアニスト並みにピアノを演奏できるとか。皆さん芸達
者な方が集まって見ごたえあります。
デイヴィッド・ギャレットさん先月来日してましたよね。
次回来日の際はぜひぜひ生で5億円のストラディヴァリウスの音色を聞いてみたいものです。
素でもかっこいいけどバイオリン弾く姿はめっちゃくちゃかっこいいですもんねー。
というわけで彼の甘いマスクと超絶技巧を堪能したい方はぜひぜひご覧くださいませ~♪
あっ、もちろんパガニーニという人を知りたい方はぜひ。