いじめが要因になる見え方の変化 | 奈良県 メガネ・ドイツ式両眼視機能検査・視覚認知検査 ジョイビジョン奈良ブログ

毎年、9月になるとやるせない案件が増えてきます。

 

2学期が始まると、お子さんの見え方で多いケースに「字が動くようになった」「眼鏡で補正しても視力が出ないと言われた」「眩しさを急に訴えるようになった」「人が2人に見える」「急に読み書きが出来なくなった」等の御相談が急増します。

 

医療機関などでも疾患などの問題は見つからず、アーレンシンドローム(光の感受性障害)等を疑って当店にお越しになられますが、このようなケースの中核的要因になっているのは、当事者が「いじめの対象」「からかいの対象」になっている事が多くあります。

 

これらの問題が何故分かるのか?と言われれば、聞き取り・検査の結果・検査中の行動観察などの情報を統合していく過程の中で、通常の視機能の問題・視知覚の問題と比較して、必ず矛盾になる部分が出てくるということがあります。

また、同様のケースが5~6年前から積み重なっており、いじめを受けている子の知覚変容を経験しているからというのもあります。
実際的にも、検査情報の統合・解釈に矛盾が生じた際.、お母様に「学校等で何か変わったことはありませんか?」とお聞きすると『実は・・・』と切り出される事が殆どです。

 

このようなケースの主訴も「視機能の問題」や「アーレンシンドローム」と同じような訴えであり、この状態像に対する方策も「メガネ装用」になることまでは同じです。

いじめ被害による見え方の変容に対し、なぜ特殊カラーレンズが良い変容をもたらすのかは、中枢や心理のアセスメントが必要になるでしょうが、たとえ眼鏡で見え方の変容が収まったとしても、中核的な問題の対処がどのように行われるかまでは追跡できないので、非常にやるせない気持ちになります。

 

お聞きする中では、いじめの内容も非常に陰湿化しており、小学生でもLINEやネットを使った「脅し」「誹謗中傷」を含むいじめもあるようです。

疾患を伴わない見え方の急な変容について「読み書き障害」や「アーレンシンドローム」を疑うことが間違いとまでは言いませんが、お子さんを取り巻くストレスや学校生活での様子を家族や周囲が注意深く見守る重要性は高いと思われます。