武藤敬司が引退した。

39年間の現役生活に幕を降ろした。



武藤さんが引退発表したのは突然の事だった。ただリング上であまりにもアッサリ発表したことに悲しさや寂しさは感じずそんな余韻は与えてもらえなかった。


東京ドームは

平日にも関わらず大勢の人がLAST LOVEを噛み締めに集まった。



トイレの混雑っぷりが一つの目安でもある

「すげぇ並んだね」そんな会話があればそれだけ人が集まってるんだというメッセージになる。


引退試合の相手は内藤哲也選手

内藤少年が憧れたプロレスラーに介錯を頼まれたのだ。こんなレスラー冥利につきるシチュエーションはないだろう。



その最後を少しでも脳裏に焼き付けたい僕は

リング、モニター、リングと目まぐるしく見続けた。


また技や表情がいちいち素晴らしい

全てにおいてプロフェッショナル

ムーンサルトプレスをやろうとして

やらないという歯痒さ

あの表情も素晴らしかった

誰かTシャツ作って欲しい笑笑


試合はデスティーノで内藤選手に敗れたわけだが

これだけでは終わらなかった

試合後に解説席にいた蝶野正洋を呼んで

試合をしたのだ



こんなサプライズあるだろうか

蝶野さんは長い間

試合をしていない

僕らの中で

もうリングには上がらないだろうと思ってた。


大蝶野コールの中

2人がリングで対峙する

レフェリーはタイガー服部さんだ



ゴングが鳴った瞬間

一気にスイッチが入り表情が変わった

蝶野さんが素晴らしかった

まさに闘いだった。


ロックアップからのサミング

シャイニングケンカキックからのSTF

たまらず武藤敬司がタップ



解説の棚橋選手も語ってたが

引退試合で2回も負けるなんて

前代未聞だ

最後まで影響を与えるレスラーでありたいと語った武藤敬司は最後まで人の想像を越えてきた。


これまで見たことのない引退試合だった。

そして、不思議と寂しいけれども明るい引退試合だった。武藤さんらしい晴れ晴れとした空気だった。


10カウントゴングもなかった

あれ?もしかして、また試合するのかな?

そんな余韻も含めて僕らは39年間

武藤敬司の手のひらの上で踊らされてたのだ。

それも心地良く優雅に。


武藤さん39年間

本当にお疲れ様でした。

そして、ありがとうございました!