4月のある土曜日のことです。
朝早く起きて、おにぎりを作りました。
自転車に乗って、娘と出かけました。
近くの小さな山に行って、自転車を置いて、お散歩しました。
春らしく、柔らかく芽吹いた薄緑色の葉と、常緑樹の濃い緑とがモザイクのように入り混じった、今だけの山の風情がかわいらしく感じました。山笑ふ。娘と私も笑顔です。
また自転車に乗って、堤防の桜や、水仙や、河川敷の菜の花を見に行きました。
河川敷でおにぎりを食べて、家に戻りました。
それから、地域の老人会のお花見のお手伝いに行きました。
私も娘も車いすを押しながら、お年寄りとお話しつつ、お花を愛でていました。
朝からお花をいっぱい見るね。
いい日だね。よく晴れたね。風が気持ちいいね。
帰りに、お年寄りの方からおやつのお菓子をいただきました。
ありがとうございます。こちらこそ、楽しかったです。
今日は、家事をしなくてもいい日なので、晩ごはんは娘が作ってくれました。
ひよこまめのカレーです。
大好きです。
毎週水曜日に屋台を出す南米の方のお店でひよこまめを買っています。おいしいです。
まもるくんが、晩ごはんを食べに来ました。
次の日に東京に行くことが決まっていたので、いっしょに食べる最後のごはんでした。
食後に、娘がプレゼントをくれました。
大好きなはりねずみでした。
娘は、柚子ドレッシングもくれました。
「記念に写真撮ったよ。」
「・・・ちょっと、お母さん。言っていい?通販カタログ(の写真)じゃないんだよ~。」
「ん?」
「記念なら、こんな感じでどう?カレンダーといっしょなら何年のかすぐわかるし。」
「お~いい感じ!娘よ、グッジョブ!」
「お母さんも取り直してみたら?」
「どうどう?今度はいい感じに撮れたでしょ~。」
「ぷっ ( ´艸`) お母さん、ピントを合わせる場所が・・・それってど~よ、的な・・・。」
「えっ?・・・、ああ~無意識にピントがゆづに行っちゃった~。ごめんね。そうねそうね。人としてどうなのよ、って感じね。プレゼントもらった記念なのに~~~。」
「そんなおおげさな。あはは・・・。」
「なになに?なにがおもしろいの?ぼくわかんないよ~。おしえてーーー。」
・・・というわけで、撮りなおしました。
正統派プレゼント記念写真です。でも身内以外に見せられないなぁ。ゆづ&柚子。
この日のサラダはゆづドレでいただきました。
まもるくんがお祝いのケーキを作ってくれました。
はりねずみのケーキです。お皿はぷーさんの模様でした。
材料は近くのコンビニで買った蒸しパン、ポッキー、プチオレオだそうです。
折ったポッキーを、たくさん突き刺してありました。
まもるくんの新作ケーキです。はりねずみに見えますか?
また面白みのない写真になってしまったので、娘とまもる君が競って写真を撮っていました。
7時になったので、ニュースを見るためにテレビをつけました。
!!!!!!!!
息を飲みました。
思わず娘を呼びました。
「ちっちゃん!」
M6.3の淡路島地震が起きていました。
出かけていたので、私も娘も、初めて地震のことを知りました。
あわてて、知り合いに電話をしたりメールをしたりしました。
先輩の娘さんも、お孫さんも、友人も、親戚も、みんな無事でした。
でも、また地震が起きるなんて・・・。ついさっきまで、今日はいい日だとのんびり思っていたのに。
胸がふさがるような気持ちになりました。
まもる君が、とてとてと近づいてきて、「おばちゃん、みんな生きてた?だいじょうぶだった??」と顔をのぞきこんできました。ああこんな小さい子に心配をかけてしまった・・・自分がふがいない。
「ごめんね、まもる君。だいじょうぶだよ。みんな元気だったよ。心配してくれてありがとう。・・・優しいね。そういうところ、大好きだよ。」
それから、なんとなく3人で地震の話をしました。
まもる君は、学校で地震の勉強をしたことと、図書室にお話ボランティアのおばさんが来てくれて地震の本を読んでもらったことを話してくれました。読み聞かせのボランティアの方が定期的に図書室に来てくださるようです。
「あのね、ひなんくんれんしたときね、こうやってかくれたの。(机の下にもぐって頭を守る)それから、ハンカチで口をかくして、ともだちをおしたり、ぶつかったりしないようにして、こうていににげるの。」
と、身振り手振りで教えてくれました。
「それでね、『しつもんはありませんか?』って、おじさんが聞いたから(消防署か警察の方でしょうか)、『水そうのめだかは、いきものがかりの子が持ってにげるんですか?』ってきいたら、わらわれたの。」
きっとめだかを心配してまじめな気持ちで聞いたのでしょう。
娘も気になったのか、そのおじさんは何とお答えになったのか聞いていました。
「あのね、ほんとうのじしんになったら、じぶんのいのちも守れるかどうかわからないほど、きけんで、たいへんなんだって。先生やお友だちと、力を合わせていっしょうけんめいにげないと、みんな助からないかもしれないんだって。だから、いきものがかりでも、めだかを助けられないんだって。先生でも助けられないかもしれないんだって。だから、じしんがないときは、みんなでどうぶつをいっしょうけんめいかわいがってあげてくださいって言われた。」
他にも何かおっしゃったそうですが、忘れたそうです。
回答のニュアンスは違うかもしれませんが、まもる君の質問に真摯に答えて下さったことが伝わってきました。
「えらいね。めだかさんのために、質問してあげたんだね。おばちゃんなら、はずかしくて質問できないよ。まもる君は勇気があって、めだかさんにやさしくて、両方えらいね。」
娘は、自分の友人が被災した時の話をしてくれました。
私も初めて聞く話でした。
そして、被災地の牛などの家畜の話をして、まもる君とめだかのいのちの話をしていました。
まもる君が、家に帰る時間が近づいてきました。
私は、「ひまわりのおか」と「はるかのひまわり」の本を、まもる君のために読みました。
「ひまわりのおか」は東日本大震災で犠牲になられた大川小学校の子どもたちとお母さん方のお話。
「はるかのひまわり」は阪神・淡路大震災で犠牲になられたはるかちゃんとご家族、周囲の方のお話です。
今までいろいろな本をまもる君に読みましたが、たぶん、これが最後の読み聞かせです。
やっぱり涙が出て、話がつまってしまいましたが、娘が途中でかわってくれました。
「まもる君、こっちより東京のほうが地震が多いみたい。気をつけてね。」
「うん。あーちゃん(妹)といっしょにちゃんとにげるからだいじょうぶだよ。おばちゃん、ぼくしなないから、なかないで。」
ああまた。小さい子に心配かけちゃった・・・。ごめんね。ありがとう、まもる君。
もう誕生日の歌は歌いませんでした。
かわりに、録画しておいた「花は咲く」を見ました。
「この歌知ってるよ。」
まもる君が、サビのところだけ歌っていました。
♪ 花よ 花よ 花になれ ♪
そのフレーズだけを。
♪ 花よ 花よ 花になれ ♪
くりかえし。たどたどしい声で。
たったそれだけのことなのに、涙があふれてきました。
被災するということは・・・この日常が失われるということなのだろうか。
被災したわけでもなく、被災地に住んでいるわけでもない私が、あれこれおこがましいことは言えません。
けれども、思いをはせることを許してください。考えずにはいられません。
友人や知人を、またそのご家族を震災で亡くし、心痛めている者の一人です。
何も特別なことはできませんが、誕生日が来るたびに、今年の誕生日のことを思い出すと思います。
娘とまもる君と私で話した震災のことを。
忘れないでおこうね、と約束したことを。
こんなふうに楽しく過ごす家族団らんの時を断ち切られた人々のことを、いっしょに考えて祈った時間のことを。
東日本大震災の後も、国内でも、国外でも(イランや四川など)地震は続いています。
そして過去にも、多くの地震がありました。私の地元でも過去に大きな地震が起きています。
私も、その時は募金をしたり考えたりするのに、時間の経過とともに決意を忘れそうになります。
でも、被災地への思いが風化しないように、気持ちを戒められたような気がします。
また、ゆづ友さんたちとの交流により、被災された立場でのお辛い気持ちを聞かせていただくことがあります。
その勇気や深い思い、尊いお気持ちに、心から感謝するとともに少しでも報いたいと思います。
私一人は何もできませんが、ゆづ友さんたちのあたたかいコメントを読んでいると、みなさんの絆がまた強く結ばれたことを感じずにはいられませんでした。
この絆が、未来への希望へとつながることを願っています。
私もまた、震災と被災地のことを忘れない。伝えたい。この気持ちを持ち続けたいと思います。
日常が繰り返されることの幸せも、普通に誕生日を重ねていくことへの感謝の気持ちもまた、忘れないようにしたいと思います。
そんなことをあれこれ思った4月のある日のことでした。
書き散らした乱文失礼いたします。
最後まで読んでくださってありがとうございます。





