ものごころついた時から

母に対しては

わたしのことを絶対に裏切らないという

信頼感を持っていた

料理も上手で

子どもの栄養のことなども考えて

丁寧な食事を準備してくれた

そんな良妻賢母な母をちょっと誇りに思っていた



一方

うっとうしいと感じることがあったり

窮屈だなと感じることもあった

指示が多く

わたしが決めてよい場面でも

母は待てずに代わりに答えを出していた

子どもに対しては転ばぬ先の杖をつきたがる

子どもの頃のわたしは

考えて決断するチャンスを何度も逸してきた


おおらかでテキトウな母を持つ友人を見て

うらやましいと思う日もあった



大人になって

多様な価値観にふれ

自分の母も一人の人間で

偏りを持っていることに気づく


老いた母は

実はか弱い1人の女性であったことに気づく